前営業日トピックス
東京市場では、上昇していた日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、実需のドル売りが観測されたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、日経平均株価が再び堅調な動きとなったことや、米長期金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は再び堅調な動きとなった。しかし、欧州時間に入り、欧州主要株価指数が下落に転じ、下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が昨年10/15までの週以来の高水準まで悪化したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、一時113.98まで下落し、4営業日ぶりに114円台割れとなった。ただ、インフレ高進やFRBが利上げを前倒しするとの見方も根強く、米長期金利も高止まりしていることから、ドルは再び114円台を回復するなど底固い動きが続いた。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで軟調な動きが続いたことや、米主要株価指数がマイナス圏まで落ち込んだことから、対円でも軟調な動きとなった。
米株式市場では、米企業の四半期決算が良好だったことを好感して、米主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、インフレ高進への警戒感に加え、FRBが利上げを前倒しするとの見方も根強く、米長期金利が高止まりしていることが圧迫要因となり、主要株価指数は終盤にマイナス圏まで下落した。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比461ドル高まで上昇したものの、終盤には下落に転じて313.26ドル安(-0.89%)で終了し、5営業日続落となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、186.23ポイント安(-1.30%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が堅調な動きとなり、一時前日比250円超上昇したことも支援材料となった。しかし、日経平均株価が249円安まで下落すると、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は114.03まで下落した。一方、12月のオーストラリアの雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことや、失業率が予想以上に改善したことを受けて、早期利上げ観測が広がり、豪ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(2)下げ一服後は、値頃感の買い戻しに加え、日経平均株価が再び上昇に転じ、415円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、米長期金利が持ち直したことも加わり、114.55まで上昇した。
(3)欧州時間では、上昇して始まった欧州主要株価指数が軒並み下落に転じて軟調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(4)米国市場では、序盤に発表された1月のフィラデルフィア連銀景況指数が市場予想を上回ったものの、新規失業保険申請件数が3週連続の増加で昨年10/15までの週以来の高水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、一時113.98まで下落し、4営業日ぶりに114円台割れとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで軟調な動きが続いたことや、ドル/円の下落に連れて対円でも軟調な動きとなった。
(5)インフレ高進や、FRBが利上げを前倒しするとの見方も根強く、米長期金利が高止まりしていることから、ドルは再び114円台を回復するなど底固い動きが続いた。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで軟調な動きが続いたことや、上昇していた米主要株価指数が下落に転じ、マイナス圏まで落ち込んだことから、対円でも軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から500円超下落するなど、内外の主要株価指数が軒並み大幅下落となったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いている。背景には、ウクライナや中東情勢の緊迫化も影響している。ドルは、米長期金利が高止まりしていることから、欧州通貨や資源国通貨に対して上昇しており、対円では下げがやや抑えられている。ただ、それでも114円台割れとなっており、再び114円台を回復できるのか注目されている。
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がないことから、引き続き米国の長短金利動向や、主要株価指数の動きが注目されている。