前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、前日のパウエルFRB議長の議会証言で利上げが示唆されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、ユーロはウクライナ情勢の緊迫化が引き続き材料視され、地政学リスクを背景にドルや円に対して上値の重い動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が下落したことから、ユーロは上値の重い動きが続いた。一方、ドルは対ユーロで上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が改善したものの、ISM非製造業景況指数が昨年2月以来1年ぶりの低水準となったことを受けて、米長期金利が低下したことから、ドルは対円で下落した。一方、ウクライナとロシアの紛争長期化が懸念されて米主要株価指数が下落に転じたこともあり、クロス円も軟調な動きとなった。特に、ユーロは対ドルで1.1034まで下落して2020年5/28以来の安値を付けた。
米株式市場では、ウクライナとロシアの停戦協議への期待感を背景に、主要株価指数は序盤からから堅調な動きとなった。ただ、停戦合意に至らなかったことから、紛争長期化への懸念を背景にリスク回避の動きが強まり、主要株価指数は売りが優勢となった。ダウ平均株価は序盤に一時前日比287ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて249ドル安まで下落した。終盤にかけて再びプラス圏まで上昇する場面もあったが、96.69ドル安(-0.29%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、214.08ポイント安(-1.56%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が大幅上昇して始まったことから、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。一方、ウクライナ情勢の緊迫が続いており、地政学リスクからユーロは対ドルなどで上値の重い動きが続き、対円でも上値の重い動きとなった。
(2)仲値通過後は、序盤に前日比311円高まで上昇していた日経平均株価が103円高まで上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きも見られたが、前日にFRB議長が利上げの必要性に言及したことが引き続き材料視され、ドル/円は堅調な動きとなった。さらに、午後に入り、日経平均株価が上げ幅を再び拡大したことから、クロス円も底固い動きとなった。欧州時間では、ユーロがドルや円に対して軟調な動きとなり、ドルは対ユーロで上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が予想以上に改善したものの、その後に発表されたISM非製造業景況指数が昨年2月以来1年ぶりの低水準となったことを受けて、上昇していた米長期金利の指標となる米10年債利回りが低下したことから、ドルは対円で下落した。
(4)その後、ドル/円は下げ幅を縮小したものの、終盤にかけて再び下げ幅を拡大した。一方、ウクライナとロシアの2回目の停戦協議で停戦合意に至らなかったことから、紛争の長期化が懸念されて米主要株価指数が下落に転じたことから、クロス円も軟調な動きとなった。特に、ユーロは地政学リスクが意識され、対ドルで1.1034まで下落して2020年5/28以来の安値を付けた。
本日のトピックス
東京時間では、ウクライナにある欧州最大の原発をロシア軍が砲撃したとの報道を受けて、リスク回避の動きが強まり、日経平均株価が一時800円超下落したことや、時間外取引で米10年債利回りが1.854%から1.696%まで急低下(リスク回避の債券買い)したことを受けてドル円・クロス円も急速に下落した。特にユーロは対円で2021年2月以来、対ドルで2020年5月以来の安値を更新した。また、前日の停戦協議で停戦が合意に至らなかったことで紛争の長期化が懸念されており、リスク回避の動きが続く可能性も考えられる。
本日の米国市場では、米雇用統計の発表が予定されており、注目される非農業部門雇用者数の伸び幅は、前月から縮小が予想されている。ただ、前月は過去2ヵ月分が70.9万人上方修正されたこともあり、実質分の伸び幅は117.6万人となった。このことから、過去分の修正も加えた実質分の伸び幅に注目したい。
3/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
2月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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41.8万人 | 46.7万人 |
前回は市場予想を上回ったものの、3ヵ月連続で伸び幅が縮小した。ただ、過去2ヵ月分の上方修正が70.9万人となり、前月からの実質の増加分は117.6万人となり、雇用増加の勢いが続いていることが示された。今回は、前回を下回ると予想されているが、前回分の修正を合わせた実質分の結果に注目したい。 |