前営業日トピックス
東京市場では、ウクライナとロシアの3回目の停戦協議が実施されたが、進展が見られなかったことから上値の重い動きとなった前日の海外市場終盤の流れが一服し、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。序盤に330円超下落した日経平均株価がプラス圏まで上昇したことや、実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後に入り、日経平均株価が再び下落し、終盤に400円超下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された1月の米貿易収支で赤字額が過去最高を更新したことから、ドルは主要通貨に対して下落した。さらに、米主要株価指数が下落したことからクロス円も軟調な動きとなった。その後、ウクライナがNATO加盟を主張しない意向との報道を受けて、停戦協議が進展するとの期待感が高まり、米主要株価指数が上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、原油価格が一段の上昇するなど、コモディティー価格の上昇が続いていることで、インフレ高進が世界経済を圧迫するとの見方から、終盤にかけて再びドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米株式市場では、ウクライナ情勢の悪化を背景に、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。しかし、ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)加盟を主張しない意向との報道を受けて停戦合意への期待が高まり、プラス圏まで上昇する場面もあった。ただ、原油価格が一段の上昇となり、インフレ加速を背景に景気が減速するとの懸念もあり、終盤には再び下落に転じて主要株価指数は4営業日続落となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、前日比238ドル安まで下落した。その後は上昇に転じて一時585ドル高まで上昇したものの、終盤にかけて再び軟調な動きとなり、184.74ドル安(-0.56%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは35.41ポイント安(-0.28%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の上値の重い動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。また、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じてプラス圏まで値を戻したことも下支え要因となった。さらに、仲値公示にかけては実需のドル買いが観測されたことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル買い・円売りが優勢となった。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなり、午後に入り日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなり、終盤に前日比454円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、ロシア国防省がウクライナでの攻撃を停止すると表明したとのロシアの通信社の報道を受けて、ユーロは急上昇となった。さらに、EUが大規模な共同債発行を検討との報道を受けて欧州主要株価指数が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された1月の米貿易収支で、赤字額が過去最大を更新したことからドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円では高値の115.79から115.42まで下落する動きとなった。さらに、米主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったことも影響し、クロス円も軟調な動きとなった。
(4)ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)加盟を主張しない意向との報道を受けて、ウクライナとロシアの停戦協議が進展するとの期待が高まり、米主要株価指数が上昇に転じたことからドル円・クロス円も堅調な動きとなった。特に、地政学リスクが和らぐとの見方からユーロはドルや円に対して上げ幅を拡大した。ただ、原油価格が一段の上昇となるなど、コモディティー価格の上昇が続いていることで、インフレ高進が世界経済を圧迫するとの見方から、終盤にかけて再びドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、ウクライナとロシアの停戦協議が進展するとの期待が高まったことを背景に、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。特に、地政学リスクが和らぐとの見方から下落が続いたユーロはドルや円に対して上げ幅を拡大した。しかし、原油価格が約13年7ヵ月ぶりの高値、金価格が約1年7ヵ月ぶりの高値となるなど、コモディティー価格の上昇が続いていることから、インフレ高進が世界経済を圧迫するとの見方も依然として根強いことから、ドル円・クロス円の上値は限定的との見方もあり、今後のコモディティー価格などにも注目したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きも予想されるが、株式市場や米金利動向に左右される展開が予想されている。
3/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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1095.0万件 | 1092.5万件 |
前回は市場予想に反して増加となり、労働市場の需要が堅調であることが示された。今後、季節的に消費需要が高まることが予想されており、企業側も雇用の増加を図っていることから、求人件数の高止まりが続くと見られている。 |