前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後、円買いが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなったものの、下げ一服後は再び円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は持ち直した。欧州時間では、下落して始まった欧州主要株価指数が上昇に転じて上げ幅を拡大したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、NY連銀総裁が「0.50%の利上げが適切であればそうする」と発言したことを受けて、米国の利上げ期待が改めて意識され、さらに米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は一時122.23まで上昇した。その後は米主要株価指数が軒並みマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなる場面もあったが、終盤にかけては底固い動きとなった。
米株式市場では、序盤から堅調な動きとなったものの、米長期金利が上昇したことが圧迫要因となり、マイナス圏まで下落する動きとなった。ただ、原油先物の上昇を受けてエネルギー関連株が上昇したことが下支え要因となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比234ドル高まで上昇した。その後、下落に転じて76ドル安まで下落したものの、終盤には再びプラス圏まで回復して153.30ドル高(+0.44%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長期金利の上昇を受けて軟調な動きが続き、22.54ポイント安(-0.16%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、五・十日であることから、仲値公示にかけて実需のドル売り・円買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤に122.44まで上昇して2015年12月以来の高値を更新したものの、その後は下落に転じて121.18まで下落した。
(2)下げ一服後は、日銀の円安容認や緩和政策の維持を示したことが改めて材料視され、円売りが優勢となり、ドル/円は底固い動きとなった。一方、ドイツのIFO企業景況感指数が予想を下回る結果となったことから、ユーロは上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。先週、パウエルFRB議長が0.50%の利上げの可能性の言及したタカ派的発言に続いて、NY連銀総裁が「FRBは大規模緩和政策の巻き戻しに動いている」「0.50%の利上げが適切であればそうする」と発言したことを受けて、米国の利上げ期待が改めて意識され、さらに米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.352%から2.509%まで上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時122.23まで上昇したものの、アジア時間に付けた2015年12月以来の高値の122.44には届かなかった。その後は米主要株価指数が軒並みマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなる場面もあったが、終盤にかけては底固い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開が続いたが、日銀の指し値オペ通知(10年国債対象)を受けて円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は急速に上昇した。ドル/円は122.17から122.98まで上昇して2015年12月以来の高値を更新した。引き続き円売りが優勢となり、123円台の大台乗せとなるのか注目されている。
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことから、株式市場や金利動向に左右される可能性が考えられる。また、ウクライナ情勢に関する報道や要人発言にも注意が必要だろう。