前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が300円超上昇したことや、実需のドル買い・円売りが観測されたことから、仲値公示にかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、仲値通過後はドル買いが一服したことから、再び円買いが優勢となったものの、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。また、日銀の連続指し値オペが通知されたが、マーケットの反応は限定的だった。欧州時間に入り、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きが続いたことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった
米国市場では、ウクライナとロシアの停戦交渉が進展するとの期待が高まったことから、地政学リスクが和らぎ、ユーロは対ドルで堅調な動きとなり、3/17以来の高値を付けた。一方、ドルは対ユーロで下落したことや、米長期金利が低下したことから対円で軟調な動きが続き、ドル/円は121.98まで下落した。また、ドル/円の下落を受けて、クロス円も連れ安となった。ただ、欧米の主要株価指数が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、ウクライナとロシアの停戦交渉が進展するとの期待が高まり、欧州株が大幅上昇となったことから主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、原油先物が一時98ドルまで下落したことも支援材料となった。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなり、一時前日比416ドル高まで上昇した。その後、74ドル高まで上げ幅を縮小する場面もあったが、終盤には再び上げ幅を拡大して338.30ドル高(+0.97%)で終了。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長期金利の低下を受けて上げ幅が拡大し、264.74ポイント高(+1.84%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤に123円台まで下落したものの、その後に値を戻す動きとなった流れを引き継ぎ、東京市場の序盤は124円台まで回復した。ただ、その後は再び123円台前半まで下落するなど、上値の重い動きとなった。しかし、日経平均株価が堅調な動きとなり、一時前日比283円高まで上昇したことや、スポット末日に当たり、実需のドル買いが観測されたことから、仲値公示にかけてドル/円は124.31まで上昇した。また、クロス円はドル/円の上昇に連れ高となった。
(2)仲値通過後は再び円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は一時123.10まで下落したものの、下げ一服後は底固い動きとなった。欧州時間では、ウクライナとロシアの停戦交渉が進展するとの期待が高まったことから、欧州主要株価指数が上昇となり、ユーロがドルや円に対して堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、ウクライナとロシアの停戦交渉が進展するとの期待が高まったことから、地政学リスクが和らぎ、ユーロは対ドルで堅調な動きとなり、3/17以来の高値となった。一方、ドルは対ユーロで下落したことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.532%から2.377%まで低下したことから、ドル/円は序盤の123.59から121.98まで下落した。また、ドル/円の下落を受けて、クロス円も連れ安となった。ただ、欧米の主要株価指数が上昇したことから、ドル円・クロス円は終盤にかけて底固い動きとなった。
本日のトピックス
昨日、ウクライナとロシアの停戦協議の進展の兆しが示唆されたことから、地政学リスクが後退してユーロはドルや円に対して堅調な動きとなり、また原油先物も一時100ドルを割り込む動きが見られた。ただ、依然として懐疑的な見方もあり、引き続き交渉で進展が見られるのか注目されている。
一方、次回のFOMC(5月)で0.50%の利上げの可能性を指摘する複数の米金融当局者の発言などもあり、0.50%の利上げ期待高まったことで、政策金利に敏感な米2年債利回りが上昇となり、一時米10年債利回りを上回る逆イールドとなる場面もあった。マーケットでは、金融引き詰めが加速する場合には米国の景気鈍化となる可能性を指摘する向きもあり、米雇用統計をはじめとして今後の米経済指標の結果を見極めたい。
ドル/円は、28日に125円台に到達したが、その後は上値の重い動きとなり、本日の東京時間でも121円台まで下落するなど、上値の重い動きが続いており、目先調整となるのか注目されている。特に、雇用統計の結果が予想の範囲内となる場合や、予想を大きく下回る結果となる場合には、次回のFOMCに向けて調整が加速する可能性を指摘する向きもあり、目先の動きを見極めたい。
本日の米国市場では、3月の米ADP雇用統計、第4四半期GDP確報値の発表が予定されている。ADP雇用統計は、前月から伸び幅の縮小が予想されているが、前回1月の結果が-30.1万人から+50.9万人に大幅上方修正されたこともあり、結果に対して限定的な反応となる可能性も考えられる。一方、GDPは改定値から横ばいが予想されていることもあり、修正がなければ反応は限定的と見られている。
3/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
3月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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45.0万人 | 47.5万人 |
前回は市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続で伸び幅が縮小した。ただ、1月の結果が-30.1万人から+50.9万人に大幅上方修正された。感染者数の減少で制限措置が緩和されたことが雇用増加につながった。今回は、前月から伸び幅の低下が予想されており、昨年1年間の平均である+57.3万人を引き続き下回ると予想されており、緩やかな改善が続くと見られている。前回、前月結果の修正が大幅だったことから、再修正や前回結果の修正にも注目したい。 | ||||
21:30 | 米国 |
第4四半期GDP(前期比年率・確報)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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7.0% | 7.0% |
前回の改定値では、市場予想と一致して速報値から上方修正され、2020年9月以来の高い伸びとなった。在庫が成長率を押し上げる形となった。一方、GDPの7割を占めるとされる個人消費は0.2ポイント下方修正された。今回は、改定値から変わらずと予想されている。 |