前営業日トピックス
東京市場では、新年度入りに伴う実需のドル買い観測から仲値公示にかけてドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では一時122.73まで上昇した。また、ドル/円の上昇にクロス円も連れ高となった。しかし、午後に入ると週末を控えたドルの利益確定売りや、ポジション調整の動きに押されてドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後は、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まり、ドル円・クロス円は限定的な動きとなった。
米国市場では、3月の米雇用統計で失業率がコロナ感染拡大前の水準まで回復するなど、労働市場の堅調さが示されたことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、その後に発表された3月の米ISM製造業景況指数が1年6ヵ月ぶりの低水準となったことや、米長期金利が低下したことからドルは下落に転じ、対円では122.47まで下落した。一方、クロス円はドル/円の下落に連れても軟調な動きとなったものの、終盤にかけて主要株価指数が再び上昇したことから、引けにかけて堅調な動きとなった。
米株式市場では、3月の米雇用統計で労働市場の回復が示され、米経済の堅調さが確認されたこを受けて、主要株価指数は序盤から底固い動きとなった。その後、一時マイナス圏まで下落したものの、原油先物が下落したことが下支え要因となり主要株価指数は反発した。ダウ平均株価は上昇して始まったものの、その後は下落に転じて一時前日比140ドル安まで下落した。しかし、終盤にかけて再び堅調な動きとなり、169ドル高まで上昇する場面もあり、139.92ドル高(+0.40%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、40.98ポイント高(+0.29%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、新年度入りに伴い、実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、仲値公示にかけてドルは堅調な動きとなった。また、時間外取引で米長期金利の指標となる10年債利回りが上昇したことも加わり、ドル/円は前日高値の122.46を上抜けて122.72まで上昇した。
(2)上昇一服後は、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。米国時間に米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見ムードから限定的な動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された3月の米雇用統計で、失業率が予想以上に改善したことや、非農業部門雇用者数が市場予想を下回る伸びとなったものの、前月結果が上方修正されて実質ベースで予想を上回るなど、労働市場の堅調さが示されたことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は序盤の122.44から123.02まで上昇した。
(4)3月の米ISM製造業景況指数が予想以上の低下となり、2020年9月以来1年6ヵ月ぶりの低水準となったことや、上昇していた米10年債利回りが低下したことからドルは下落に転じ、対円で122.47まで下落した。一方、上昇して始まった米主要株価指数が下落に転じてマイナス圏まで落ち込んだことや、ドル/円の下落に連れてクロス円も軟調な動きとなった。ただ、終盤にかけて主要株価指数が再び上昇したことから、クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
先週末の米雇用統計が、比較的良好な結果となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。FRBが高インフレを抑えるため、5月のFOMCで政策金利を引き上げるのことが確実視されている。特に、FRBは雇用最大化を目指しており、今回の雇用統計が良好な結果となったことで、0.50%の利上げを決定する可能性が高まったとの見方が広がっている。そのため、ドルは底固い動きが続くと見られており、本日の米国市場では主要な経済指標の発表がないことから、株式市場や米長短金利の動きが注目されている。