前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時126.79まで上昇し、2002年5月以来の高値を更新した。その後、黒田日銀総裁の発言を受けて126.25まで下落する場面もあったが、米長期金利が2018年12月以来の高水準まで上昇したことなどからドルは再び堅調な動きとなった。その後は、欧州市場がイースターの連休で休場だったことから、小動きの展開が続いた。
米国市場では、序盤から米長期金利が低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。しかし、その後に米長期金利が持ち直したことから、ドルも堅調な動きとなった。さらに、米当局者のタカ派な見方を示したことも加わり、ドル/円は終盤に126.98まで上昇し、2002年5月以来の高値を更新した。一方、ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなった。
米株式市場では、原油先物が3週間ぶりの高値となったことから、インフレ高進による消費減退に加え、企業業績の悪化懸念が台頭し、主要株価指数は続落となった。ダウ平均株価は、序盤に一時167ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて終盤には172ドル安まで下落する場面もあった。ただ、下げ幅を縮小して39.54ドル安(-0.11%)まで戻して終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、18.72ポイント安(-0.14%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日本と他の主要中銀との金融政策の方向性の違いが意識され、米金利先高観を背景にドル買い・円売りが先行し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、前週末の海外市場の高値の126.68を上抜けて126.79まで上昇し、2002年5月以来の高値を更新した。
(2)その後、黒田日銀総裁が「円相場の過度な変動は経済にマイナスに作用することも考慮する必要がある」との発言をきっかけにドルは下落に転じ、ドル/円は一時126.25円まで下落した。ただ、「円安が全体としてプラスという評価は変えていない」との見方を示したことから、再び円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は底固い動きとなったなった。さらに、時間外取引で米10年債利回りが2.879%まで上昇し、2018年12月以来の高水準となったこともドルの下支え要因となった。
(3)米国市場では、欧州市場が休場となる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが低下したことから、ドルは序盤から主要通貨に対して上値の重い動きとなった。ドル/円は、序盤の126.67から126.44まで下落した。その後、米10年債利回りが持ち直したことから、ドルも堅調な動きとなった。さらに、セントルイス連銀総裁がインフレ抑制のため、政策金利を年内3.5%まで引き上げるとの見方を示したことも加わり、ドル/円は終盤に126.98まで上昇し、2002年5月以来の高値を更新した。一方、ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、海外時間の高値の126.98を上抜けて序盤から堅調な動きとなった。その後、財務大臣が「為替の急速な変動は望ましくない」、「最近の円安進行含め為替動向を緊張感持って注視」と円安を牽制する発言したものの、円安は止まらずに127.40台まで上昇している。海外時間の米当局者の発言(政策金利を年内3.5%まで引き上げるとのみ方を示した)を受けてドル高が続いており、どこまで上昇するのか注目されている。
本日の米国市場では、米住宅着工件数の発表が予定されているが、前回から減少が予想されているものの、依然として高水準が維持されると予想されている。ただ、マーケットの注目が金利動向となっていることから、反応は限定的と見られている。一方、本日も複数の米当局者の発言が予定されていることから、発言の内容とマーケットの反応に注目したい。
4/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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174.1万件 | 176.9万件 |
前回は市場予想を上回り、2006年6月以来の高水準となり、サプライチェーンの混乱が落ち着いたことが示された。さらに、金利上昇前の駆け込み需要が影響したとの見方もあった。今回は、前回着工件数の先行指標となる許可件数が5ヵ月ぶりの減少となったこともあり、小幅低下が予想されているが、依然として高水準が維持されると見られている。 |