前営業日トピックス
先週末の5月の米雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことから、週明けの東京市場でも序盤から堅調な動きとなった。ただ、日経平均株価が下落したこともあり、やや上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価がプラス圏まで回復したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、欧州時間では、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
米国市場では、FRBが金融引き締めを加速するとの警戒感が根強く、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時132.01まで上昇し、2002年4月以来の高値を更新した。一方、ドル/円の上昇に連れて、クロス円も堅調な動きとなり、特にECBの利上げ期待が高まっていることから、ユーロ/円は141.13まで上昇し、2015年6月以来の高値を更新した。
米株式市場では、北京市のロックダウンが緩和したことで中国経済の回復期待が高まったことを受けて、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、FRBが金融引き締めを加速するとの警戒感が根強く、米長期金利が上昇したことから一時マイナス圏まで下落する場面もあった。ただ、終盤に再びプラス圏まで回復して小幅高で終了した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前週末比335ドル高まで上昇した。その後、下落に転じて一時80ドル安まで下落したものの、終盤には再びプラス圏を回復し、16.08ドル高(+0.05%)で終了した。一方、ナスダックは48.64ポイント高(+0.40%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、前週末の海外時間に付けた高値130.98を上抜けて131.00まで上昇した。一方、ユーロ/円は140.41まで上昇、年初来高値を更新した。しかし、上昇一服後は上値の重い動きとなり、日経平均株価が前週末比230円超下落したことや、時間外取引の米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)その後、日経平均株価がプラスに転じ、午後には上げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、黒田日銀総裁が「ゆるぎない姿勢で金融緩和を継続していく」と発言したことを受けて、円が主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、米国の経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、FRBが金融引き締めを加速させるとの警戒感が根強く、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.045%まで上昇し5/11以来の高水準となり、また政策金利の動向に敏感な2年債利回りも2.734%まで上昇して5/6以来の高水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時132.01まで上昇し、2002年4月以来の高値を更新した。一方、ドル/円の上昇に連れて、クロス円も堅調な動きとなり、特にECBの利上げ期待が高まっていることから、日欧の金融政策の違いが引き続き意識され、ユーロ/円は141.13まで上昇し、2015年6月以来の高値を更新した。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル/円は前日の海外市場で付けた高値の132.01を上抜けて132.33まで上昇、2002年4月以来の高値を更新した。当面は、今週末に発表される5月の米消費者物価指数の発表に注目が集まっており、それまでは底固い動きが続く可能性も考えられる。
本日の米国時間では、米貿易収支の発表が予定されており、赤字額の縮小が予想されているものの、依然として高水が続き、赤字額の早期縮小には時間がかかると見られている。また、マイナス成長の要因となったこともあり、どこまで赤字額が縮小となるのか注目されている。
6/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-895億USD | -1098億USD |
前回は市場予想を上回る赤字額となり、過去最大の赤字を更新した。堅調な需要を背景に、輸入が急増したことが影響した。今回は、前月から赤字額が縮小すると予想されているが、引き続き高水準であり、貿易赤字の早期改善は難しいと見られており、引き続きGDPの結果に影響すると見られている。 |