前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価や米長期金利が低下したことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。午後に入り、16時から財務省・金融庁・日銀が情報交換会合を実施するとの報道を受けて円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。ただ、下げ一服後は値頃感の買い戻しの動きも見られ、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された5月の消費者物価指数が、前年比で40年5ヵ月ぶりの大きさとなったことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。さらに、米長期金利が上昇したこともドルの押し上げ要因となり、対円では134.48まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したことや、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことから、対円でも軟調な動きが続いた。
米株式市場では、5月の米消費者物価指数が40年5ヵ月ぶりの高水準となったことを受けて、FRBがインフレ抑制のために金融引き締めを急ぐとの見方が広がり、主要株価指数は序盤から大きく下落した。さらに、米長期金利が上昇したことも圧迫要因となり、主要株価指数は大幅続落となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、終盤に一時前日比884ドル安まで下落した。引けにかけて安値圏を維持したまま、880.00ドル安(-2.73%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、414.21ポイント安(-3.52%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤から日経平均株価が440円超下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は133.91まで下落した。
(2)その後は底固い動きが続いたが、財務省・金融庁・日銀が16時から情報交換会合を開催するとの報道を受けて、為替介入に対する警戒感が強まったことや、調整目的のドル売り・円買いが観測され、ドル/円は133.35まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨もドル/円の下落に連れ安となった。ただ、その後は値頃感の買い戻しなどもあり、底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された5月の米消費者物価指数が、前年比ベースで40年5ヵ月ぶりの高水準となったことを受けて、FRBがインフレ抑制のために金融引き締めを急ぐとの見方が広がり、ドルは主要通貨に対して上昇した。ただ、発表直後は思惑が交錯して乱高下となる場面もあった。
(4)その後に発表された6月ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を大幅に下回り、過去最低となったことから、ドルは軟調な動きとなる場面もあった。しかし、米消費者物価指数の結果を受けて、政策金利の動向に敏感な米2年債利回りが3.067%と2008年6月以来、長期金利の指標となる10年債利回りが3.165%と5/9以来の高水準となったこともドルの押し上げ要因となり、対円では消費者物価指数発表後の安値133.52から134.48まで上昇した。ただ、前日高値の134.56には届かなかった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したことや、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことから、対円でも軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
前週末の海外市場では、5月の米消費者物価指数が前年比ベースで40年5ヵ月ぶりの高水準となったことを受けて、FRBがインフレ抑制のため7月以降も大幅な利上げを継続するとの見方が広がり、ドルは堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の上昇も加わり、ドル/円は134.48まで上昇した。
東京市場では、前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤からドルは堅調な動きとなった。ドル/円は、一時134.92まで上昇し、9日に付けた134.56を上抜けて134.92まで上昇して2002年2月以来の高値を更新した。今週は、15日に予定されているFOMCで大幅な利上げが継続されるとの見方から、ドルは堅調な動きが続く可能性も考えられる。
本日の欧米市場では、主要な経済指標の発表がないことから、下落が続いている主要株価指数や米長短金利の動きに注目したい。