前営業日トピックス
東京市場では、海外市場終盤の流れを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。序盤に一時290円超上昇した日経平均株価が下落に転じてマイナス圏まで下げたことや、実需のドル売りが観測されたことから、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。下げ一服後は、日経平均株価が持ち直したことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。欧州市場では、欧州主要株価指数が軟調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、4-6月期の米GDP速報値が予想外のマイナスとなり、2四半期連続のマイナス成長となったことを受けて、ドル売りが優勢となった。また、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の135.72から134.19まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したものの、米主要株価指数が下落したことから、対円で軟調な動きとなった。ただ、その後に米主要株価指数が上昇に転じたことから、クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、米GDPが2四半期連続のマイナス成長となったことで景気後退への懸念が高まり、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、前日に発表されたIT大手の四半期決算が冴えない結果となったことも圧迫要因となった。ただ、FRBが利上げペースを緩和するとの思惑が広がり、その後は買いが優勢となった。ダウ平均株価は、上昇して始まったものの下落に転じ、一時前日比214ドル安まで下落した。しかし、その後は上昇に転じて上げ幅を拡大し、411ドル高まで上昇したものの、引けにかけて上げ幅を縮小し、332.04ドル高(+1.03%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、130.17ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、米国の金融引き締めに対する過度な警戒が和らいだことから買い安心感が広がり、日経平均株価は序盤に前日比299円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が下落に転じ、一時63円安まで下落すると、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。さらに、月末絡みの実需によるドル売りが観測されたことも圧迫要因となり、ドル/円は序盤の136.58から135.10まで下落した。
(2)その後、日経平均株価がプラス圏を回復して底固い動きが続いたことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。欧州市場では、欧州主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったことから、ユーロは上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された4-6月期の米GDP速報値が予想外のマイナス成長となり、前期に続き2四半期連続のマイナス成長でリセッション入りとなった。これを受けて、米長期金利の低下とともにドル売りが加速し、ドル/円は序盤の135.72から134.35まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したものの、米景気後退観測から米主要株価指数が下落するなど、投資家のリスク回避の動きが強まったことから、対円では軟調な動きとなった。
(4)米主要株価指数が下げ一服後に上昇に転じ、上げ幅を拡大する動きとなったことから、クロス円は底固い動きとなった。しかし、ドルは終盤まで上値の重い動きが続き、対円では一時134.19まで下落して6/17以来の安値を付けた。
本日のトピックス
米GDPが2四半期連続でマイナス成長となったことで、リセッション入りとなった。急速な利上げが経済に与える影響が大きくなっていることから、FRBの大幅な利上げ観測が後退するとの思惑が広がり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
一方、米大統領がリセッション入りではないと発言したことや、米財務長官が米経済は回復力を維持しており、引き続き安定しているとの見方を示していることから、インフレ低下の兆候が確認できるまで利上げを継続する意思を示していると見ることもできる。そのため、日米の金利差拡大や金融政策の違いが意識され、ドル/円は底固い動きが続く可能性が考えられる。そのため、ドルの下落が一時的で、調整の域を出ないと見られている。
本日の米国市場では、個人所得・支出、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、景気減速懸念が高まる場合には、ドルの下振れとなる可能性も考えられる。
7/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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51.1 | 51.1 |
前回は市場予想を上回り、6月の過去最低から改善した。現況指数は2021年4月以来の大幅な伸びとなったものの、期待指数は1980年以来の低水準となり、消費者の先行き不安が高いことが示された。今回の確報は、速報か変わらず予想だが、一部では下方修正されると予想する向きもある。 |