前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ただ、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、実需のドル買い・売りが観測されたことから、ドル円・クロス円は上昇に転じて底固い動きとなった。ただ、米雇用統計の発表を控えて、様子見ムードも強まり、全般的な限定的な動きとなった。
米国市場では、7月の米雇用統計で失業率が2020年2月以来の水準を回復したことや、非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回る結果となったことから、FRBが積極的な金融引き締めを進めるとの観測が高まり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことから、ドル/円も135.49まで上昇して7/28以来の高値を更新した。ただ、上昇一服後は週末のポジション調整などもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米株式市場は、7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を上回る良好な結果となったことから、FRBの積極的な金融引き締めへの警戒感が高まり、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は米景気後退に対する過度な懸念が和らいだともの見方から買い戻しが優勢となり、ダウ平均はプラス圏を回復して終了した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比237ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小してプラス圏を回復し、76.65ドル高(+0.23%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、63.03ポイント安(-0.50%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。前日に中国軍が軍事演習でミサイルを発射したことからリスク回避の動きが改めて意識された。下げ一服後は値頃感の買い戻しの動きが優勢となり、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比230円超上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、五・十日で実需の同買い円売りが観測されたことから、仲値公示にかけてドル/円は一段上昇となり、序盤の安値132.52から133.36まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価が一段の上昇となり、257円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったが、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードも強まっており、全般的に限定的な動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された7月の米雇用統計で、失業率が新型コロナウイルス感染拡大前の2020年2月以来の水準まで回復したことや、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回る結果となったことを受けて、FRBが積極的な金融引き締めを進めるとの観測が高まり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.684%から2.867%まで上昇したことから、ドル/円も雇用統計発表前の133.23から135.49まで上昇する動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、対円では堅調な動きとなり、ユーロ/円は一時7/28以来の高値を付けた。
(4)上昇していた米長期金利が一服着たことや、週末のポジション調整などもあり、ドル円・クロス円も上昇一服後なり、終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
9月20-21のFOMCでは、当初前回の0.75%の利上げから0.50%の利上げに利上げ幅の縮小が予想されていた。しかし、先週末の米雇用統計の結果を受けて、0.75%の利上げの可能性が高まったとの見方が広がった。
米雇用統計の発表が終了したことで、マーケットの注目は8/10の米消費者物価指数に移っている。この結果次第で0.75%の利上げ期待がさらに高まるのかどうか注目されている。本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、10日までは限定的な動きが続くと予想されている。