前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなったものの、上昇一服後は上値の重い動きとなった。ポジション調整の売りに加え、実需のドル売りが観測され、ドル/円は133.91まで下落した。その後は、日経平均株価が上げ幅を拡大したことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州時間では、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。序盤に発表された7月の米小売売上高で、コア売上高が市場予想を上回ったことも加わり、ドルは主要通貨に対して上昇した。その後、FOMCの議事要旨で「いずれ利上げペースを減速すると当局者らが認識」していることが示されたことを受けて、米長期金利の低下とともに、ドルは主要通貨に対して下落した。
米株式市場は、このところダウ平均株価の上昇が続いたことで、過熱感を警戒した売りが先行した。さらに、米長期金利の上昇も主要株価指数を圧迫した。その後、FOMC議事要旨を受けて一時下げ幅を縮小する場面もあった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、前日比323ドル安まで下落した。その後は上昇に転じて一時9ドル高まで上昇したものの、終盤には再び下落に転じて171.69ドル安(-0.50%)で終了、6営業日ぶりに反落となった。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長期金利の上昇に押され164.42ポイント安(-1.25%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比284円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、米景気後退懸念による利上げペースの減速観測から、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の高値134.43から133.91まで下落する動きとなった。
(2)下げ一服後は、値頃感の買い戻しから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、午後に入り日経平均株価が353円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、ニュージーランド中銀の金融政策発表で、予想通り4会合連続で0.50%の利上げが決定されたことや、金融引き締め継続を示唆したことからNZドルは主要通貨に対して上昇となり、NZドル/円は発表直前の84.88から85.51まで上昇した。欧州時間に入り、米長期金利の上昇を受けて、ドル/円は134.91まで上昇した。
(3)米国市場では、米長期金利の上昇を受けてドル買い・円売りとなった欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。序盤に発表された7月の米小売売上高で、コア売上高が市場予想を上回ったことも加わり、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時135.50まで上昇して8/8以来の高値となった。
(4)上昇一服後は、FOMCの議事要旨の公表を控えて様子見ムードが強まり、限定的な動きが続いた。FOMCの議事要旨では、「必要以上に政策を引き締めるリスクを多くが認識」、「いずれ利上げペースを減速すると当局者らが認識している」との見解が示されたことを受けて、米長期金利の低下とともに、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円は134.79まで下落した。
本日のトピックス
前日の海外時間に公表されたFOMCの議事要旨では、タカ派的な見解が見られなかったことから、大幅利上げへの期待感が後退してドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。しかし、依然としてインフレが目標を大幅に上回っていることから、年内の利上げ継続観測も根強いことから、ドルの下値は限定的となった。
米当局者らが、利上げ継続に対するリスクを認識していることが明らかとなったことから、今後は米景気動向に注目が集まるだろう。景気鈍化傾向が強まる場合には、利上げペースの鈍化の思惑が広がる可能性も考えられる。その中で、本日の米国時間では、雇用、製造業、住宅関連の経済指標の発表が予定されており、結果が注目されている。
8/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(8/13までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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26.5万件 | 26.2万件 |
前回は、市場予想を下回ったものの、2週連続の増加となり、2021年11月以来の高水準となった。一方、失業保険継続受給者数も2週連続の増加で4/1以来の高水準となり、労働市場の鈍化傾向が示された。引き続きハイテク関連企業のレイオフや採用停止の影響が影響すると見られており、今回も小幅増加が見込まれている。 | ||||
21:30 | 米国 |
8月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。ISM製造業景気指数の先行指標としても注目されている。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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-5.0 | -12.3 |
前回は市場予想を下回り、4ヵ月連続の低下で2020年5月以来の大幅なマイナスとなった。2ヵ月連続でマイナスとなったことで、製造業の鈍化傾向が示された。今回は、マイナス幅の縮小が予想されているものの、引き続きゼロを下回り、景気減速と判断されると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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489万件 | 512万件 |
前回は市場予想を下回り、5ヵ月連続の減少となり、2020年6月以来の低水準となった。住宅価格が前年比で過去最高となったことや、住宅ローン金利の上昇を背景に、住宅需要の低下が影響している。最近の住宅関連の経済指標では、軒並み悪化が続いていることもあり、改善には時間を要すると見られており、引き続き減少が予想されている。 |