前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から370円超下落したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、午後に入ると、日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。特に、米長期金利が上昇したことからドルは主要通貨に対して上昇した。ただ、その後は米長期金利が低下したことに合わせてドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、複数の米当局者が大幅利上げを支持するとの見解を示したことを受けて、米長期金利の上昇と共にドルは一段の上昇となった。一方、高インフレの長期化観測を背景に、ユーロ圏経済の先行き不安も根強く、欧州通貨はドルや円に対して軟調な動きとなった。また、トルコ中銀が予想外の利下げを発表したことを受けて、トルコ・リラは急速な下落となった。
米株式市場は、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったものの、相場上昇が続いていることへの警戒感も根強く、さらに米当局者の大幅利上げを支持する発言を受けて上値の重い動きとなった。ただ、終盤にかけて買い戻しの動きが優勢となり、プラス圏を回復して終了した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、前日比135ドル安まで下落した。ただ、その後は下げ幅を縮小する動きとなり、終盤には一時63ドル高まで上昇する場面もあり、18.72ドル高(+0.06%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、27.22ポイント高(+0.21%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外時間にFOMC議事要旨が公開され、急速な利上げは長続きしないとの見方が確認されたことから、ドルが主要通貨に対して下落した流れを引き続き、序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から大きく下落し、一時前日比376円安まで下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)下げ一服後は底固い動きとなり、午後に入り日経平均株価が下げ幅を縮小したことからドル円・クロス円は底固い動きとなった。特に、米長期金利が反転して上昇が続いたことから、ドル/円は序盤の安値134.73から135.43まで上昇する動きとなった。
(3)欧州時間では、上昇していた米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.909%から2.833%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで堅調な動きとなったものの、対円ではドル/円に連れて上値の重い動きとなった。また、トルコ中銀が予想外の利下げを発表したことを受けて、トルコ・リラは急速な下落となり、対ドルでは一時2021年12/20以来の安値を更新した。
(4)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことや、フィラデルフィア連銀製造業景況指数が3ヵ月ぶりにプラス改善したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、サンフランシスコ連銀総裁が「金利は年末までに3%を少し上回る必要がある」「9月の会合で0.50%もしくは0.75%の利上げが妥当」と発言し、セントルイス連銀総裁が「9月の会合で0.75%の利上げを支持したい」「FRBは年末までに金利を3.75%-4.00%に引き上げる必要がある」と発言するなど、複数の米当局者がインフレに対する懸念を表明し、大幅利上げを支持するとしたことを受けて、米長期金利の上昇と共にドルは一段の上昇となり、ドル/円は序盤の134.65から135.90まで上昇した。ただ、上昇一服後は狭いレンジ内の動きが続いた。一方、インフレ長期化観測を背景に、ユーロ圏経済の先行き不安も根強く、欧州通貨はドルや円に対して軟調な動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外時間に、複数の米当局者がインフレに対する懸念を表明し、大幅利上げを支持すると発言したことを受けて、一旦後退していたFRBの大幅利上げ観測が再び高まり、米長期金利の上昇と共にドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、ユーロはユーロ圏経済の先行き不安が再燃してドルや円などに対して軟調な動きが続いており、対ドルでは、再びパリティ(等価)に向けて軟調な動きとなっている。
本日の東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から堅調な動きとなっており、対円では7/28以来の136円台を回復する動きとなっている。さらに上昇が続いて137円台を目指す展開となるのか、ユーロはパリティに向けて軟調な動きとなるのか注目されている。
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないことや、週末であることからやや限定的な動きも予想されているが、米金利動向などに敏感に反応する展開が続いていることから、金利動向には注目したい。