前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドルは底固い動きも見られたが、仲値通過後は再び軟調な動きとなった。欧州時間では、ドイツの経済指標が良好な結果となったことを好感して、ユーロはドルや円に対して上昇したものの、上昇は一時的だった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が市場予想より強い結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は序盤の136.38から136.95まで上昇した。ただ、その後は米金利が低下に転じたことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円も136.40まで下落した。一方、欧州の景気鈍化懸念を背景に、ユーロはドルや円に対して軟調な動きが続いた。
米株式市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことから、米国の景気後退への懸念が和らぎ、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、米長期金利が上昇したこともあり、上値は限定的だった。終盤にかけて、米長期金利が低下したことから、主要株価指数は堅調な動きとなり、上げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から底固い動きとなったものの、やや上値は限定的だった。ただ、終盤には上げ幅を拡大して一時前日比336ドル高まで上昇し、高値圏を維持したまま322.55ドル高(+0.98%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、上げ幅を拡大して207.74ポイント高(+1.67%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。ただ、五・十日の実需のドル買いが観測されたことから、仲値公示にかけてドルは上昇する場面もあった。一方、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比172円高まで上昇したこともあり、豪ドルは堅調な動きとなった。
(2)欧州市場では、上昇して始まった欧州主要株価指数が下落に転じてマイナス圏まで下落したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、ドイツのGDPが市場予想を上回る結果となったことを受けて、ユーロは主要通貨に対して急速に上昇したものの、上昇一服後は下落に転じて下げ幅を拡大する動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された第2四半期米GDP改定値が速報値から上方修正されたことや、失業保険申請件数が2週連続で減少するなど、市場予想より強い結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2ヵ月ぶりの高水準まで上昇したことも加わり、ドル/円は序盤の136.38から136.95まで上昇した。
(4)上昇一服後は米金利が低下に転じ、さらに7年債入札が好調だったことで債券買い(金利は低下)が優勢となり、米10年債利回りが3.018%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円も136.40まで下落した。一方、天然ガス価格の上昇などを背景に、欧州景気鈍化懸念からユーロはドルや円に対して軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
昨日も引き続き米金融当局者のタカ派発言が続いたことで、本日予定されているジャクソンホールでの講演で、パウエルFRB議長もタカ派的な見解を示すとの見方が強まっている。米国の経済指標結果が続いたことで、マーケットでは9月のFOMCで0.75%の利上げの可能性が後退していたものの、連日の当局者の発言を受けて、再び0.75%の利上げの可能性が高まっている。それを見極める上で、パウエルFRB議長の発言のトーンが注目されており、タカ派的な見方を示す場合には、大幅利上げ期待がさらに高まり、ドルは一段の上昇となる可能性も考えられる。
経済指標発表では、7月の米個人支出、8月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、高インフレや景気鈍化懸念が高まる中で、個人消費の動向や消費者のマインドを見る上で注目されている指標であることから、結果に注目したい。
8/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月個人支出(前月比)
1ヶ月間に、耐久財(自動車や家電製品など)や、非耐久財(食品や衣料など)、サービス支出(外食・旅行など)において、実際に個人が消費支出した金額について集計した経済指標。
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0.5% | 1.1% |
前回は市場予想を上回り、3ヵ月ぶりに高い伸びとなった。個人所得が2ヵ月連続の伸び幅拡大となったことや、貯蓄率が2009年以来の低水準に低下したことで、貯蓄を切り崩して消費に充てていることが示された。賃金は上昇しているものの、2四半期連続で経済の縮小が示されたことで、今後は消費が抑えられるとの見方もある。今回は、伸び幅の縮小が予想されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
8月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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55.3 | 55.1 |
前回は市場予想を下回ったものの、3ヵ月ぶりの高水準となった。現在の景況感が前月から低下したものの、先行の景況感が3ヵ月ぶりに改善したことや、1年先の期待インフレが2月以来の低水準に低下したことで、消費者の先行きのマインドが改善したことが影響した。ただ、5-10年先のインフレ期待が小幅上昇したことがやや懸念されている。今回の確報では、小幅下方修正が予想されている。 |