前営業日トピックス
日本市場が休場となる中、20日からのFOMCでの大幅利上げ観測が高まっていることを背景にアジア市場からドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。欧州時間に入り、米長期金利が上昇したことから、ドルは一段の上昇となった。
米国市場では、米長期金利の上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では一時143.64まで上昇した。ただ、その後は米経済指標が悪化したことや、米金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対円で序盤は上値の重い動きとなったものの、対ドルで上昇したことから終盤にかけては堅調な動きが続いた。
米株式市場では、FRBの金融引き締め長期化観測から主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも圧迫要因となった。ただ、先週末まで下落が続いたことで値頃感の買いが優勢となったことや、米金利が上げ幅を縮小したことから、終盤にかけ主要株価指数は上げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、前週末比263ドル安まで下落した。その後は堅調な動きとなり、終盤に上げ幅を拡大して一時204ドル高まで上昇し、高値圏を維持したまま197.26ポイント高(+0.64%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)先週末の海外市場の軟調な流れが一服し、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。日本市場が休場となり、新規材料に乏しい中、翌日から始まるFOMCを控えて大幅利上げへの期待感からドルは堅調な動きが続いた。欧州時間では、時間外取引で米10年債利回りが3.515%まで上昇し、2011年4月以来の高水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きが続いた。
(2)米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎ、ドルは堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤に143.64まで上昇したものの、前週末の143.66には届かなかった。ただ、その後は米金利が低下したことや、9月NAHB住宅市場指数が9ヵ月連続の低下で2020年5月以来の低水準となったことも加わり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。対円では一時143.16まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、序盤から対円で上値の重い動きとなったものの、その後は対ドルで上昇したことから終盤にかけて堅調な動きが続いた。また、原油価格の下落などが影響してカナダ・ドルは対ドルで一時2020年11/2以来の安値を更新する場面もあった。
本日のトピックス
米国では、本日からFOMCが開催(結果発表は21日)されることから、様子見ムードが高まり、限定的な動きが予想されている。ただ、大幅利上げ観測が根強いことから、ドルは底固い動きが続くとの見方があるものの、大幅利上げはすでに織り込み済みとの見方もあり、神経質な展開が続く可能性も考えられる。米国時間では、住宅着工件数、建設許可件数の発表が予定されているが、このところ住宅市場の冴えない結果が続いていることから、結果を受けたマーケットの反応に注目したい。
9/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
8月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
|
146.0万件 | 144.6万件 |
前回は市場予想を下回り、2021年2月以来の低水準となった。住宅ローン金利や住宅価格の上昇に伴う住宅需要の低迷と、在庫増加が圧迫要因となった。今回は、小幅増加が予想されているものの、先行指標となる許可件数が前月減少していることもあり、減少が続くと予想する向きもある。 |