前営業日トピックス
東京市場では、日米の金利差拡大が意識され、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、対円では一時150.46まで上昇して32年ぶりの高値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、日経平均株価が下落したことや、対ドルで下落したことから、対円で序盤は軟調な動きとなったものの、その後はドル/円の上昇に連れて底固い動きとなった。欧州時間では、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円も151円台まで上昇した。
NY市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、米長期金利の上昇を受けてドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は一時151.95まで上昇して32年ぶりの高値を更新した。その後、政府・日銀の円買い介入を実施したとみられて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は急速に下落した。さらに、米長期金利の低下も加わり、ドル/円は146.19まで下落した。また、クロス円も大幅下落となった。
米株式市場では、米長期金利が15年ぶりの高値を更新したことを受けて売りが先行した。しかし、米金融当局者が利上げのペースを緩める時期が来ていると発言したことなどを受けてFRBの利上げ減速観測が高まると、米長期金利の低下とともに主要株価指数は終盤まで堅調な動きが続いた。ダウ平均株価は、下落して始まり前日比127ドル安まで下落した。その後は買いが優勢となり、終盤に一時785ドル高まで上昇し、748.97ドル高で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、244.88ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は序盤の安値150.06から150.28まで上昇し先日の海外時間の高値と面合わせとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、日経平均株価が序盤から下落したこともあり、対円で軟調な動きとなったが、ドル/円の上昇に連れて底固い動きとなった。
(2)日米の金融政策の方向性の違いが意識され、時間外取引で米長期金利が4.288%まで上昇し、2007年10月以来の高水準となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では151.59まで上昇した。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は一時151.95まで上昇して32年ぶりの高値を更新した。その後、政府・日銀の円買い介入を実施したとみられて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は急速に下落した。さらに、サンフランシスコ連銀総裁が利上げのペースを緩める時期が来ていると発言したことを受けて、FRBの利上げ減速観測が高まると米長期金利の低下とともにドルは一段の下落となり、ドル/円は146.19まで下落した。また、クロス円も大幅下落となった。なお、神田財務官は介入の有無に関してコメントしないと発言した。
(4)急速な下げが一服したことから、ドル円・クロス円は値を戻し、ドル/円は一時148.46まで値を戻した。
本日のトピックス
前週末の海外市場で、政府・日銀の円買い介入観測からドル円・クロス円は急落した。週明けの東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなったものの、再び円買い介入観測からドル円・クロス円は急速な下げとなった。なお、神田財務官は一切コメントしないとした。
ドル/円は、序盤の149.71から145.54まで下落したものの、下げ一服後は値を戻す動きとなり、148.60まで値を戻した。値を戻しているものの介入への警戒感も根強く、ドル円・クロス円は上値の重い展開が続く可能性も考えられる。また、値を戻した場面では円買い介入を実施する可能性も考えられることから、急速な動きには注意したい。
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されているが、先週末の米金融当局者の発言から利上げペースの減速の思惑も出ていることから、米長期金利の動きが注目される。