前営業日トピックス
東京市場では、日銀の金融政策発表と黒田総裁の会見を受けて、改めて日米の金融政策の違いが意識されてドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したこともドルの押し上げ要因となった。
米国市場では、序盤に発表された9月のPCEコア・デフレーターが前月を上回ったことを受けて、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時147.84まで上昇したが、欧州時間に付けた147.86には届かなかった。その後に発表された米経済指標がまちまちの結果となったことや、週末であることなどもあり、終盤までレンジ内の動きが続いた。
米株式市場では、米大手企業の良好な四半期決算を好感して主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、FRBによる急激な金融引き締めに対する警戒感が和らいだとの見方が広がったことも支援材料となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、終盤には一時前日比856ドル高まで上昇した。高値圏を維持したまま、828.52ドル高(+2.59%)で終了し、終値ベースで8/25以来約2ヵ月ぶりの高値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、309.78ポイント高(+2.87%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。日経平均株価が序盤に前日比364円安まで下落したものの、その後下げ幅を縮小して、79円安まで下げ幅を縮小したことも支援材料となった。また、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたことも影響した。
(2)日銀金融政策決定会合の結果を受けて、発表前の146.56から146.86まで上昇したものの、上昇一服後は下落に転じて145.99まで下落するなど、売り買いが交錯する動きとなった。その後は、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル/円は147.14まで上昇する動きとなった。ただ、政府・日銀による介入警戒感や米金利が低下したことを受けて上値の重い動きとなった。
(3)黒田日銀総裁が会見で「2%の物価目標の安定的持続まで現行緩和継続、必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」としたことで、日米の金融政策の違いが改めて意識され、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は147.86まで上昇した。ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなった。
(4)米国市場では、序盤に発表された9月の米個人所得・支出統計で、PCEコア・デフレーターが前月を上回ったことを受けて、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇。ドル/円は一時147.84まで上昇したが、欧州時間に付けた147.86には届かなかった。その後に発表された10月の米ミシガン大学消費者信頼感指数で、1年後のインフレ期待が高止まりとなったことを受けて、追加利上げが正当化されたとの見方が広がったものの、同時刻に発表された9月の中古住宅販売仮契約が大幅悪化となったこともあり、ドルは上値の重い動きとなった。その後は、週末であることや来週FOMCを控えていることもあり、終盤までレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
週明けの東京市場では、FRBがターミナルレートを想定よりも引き上げる可能性があるとの見方を受けて、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の147.50台から3営業日ぶりに148円台を回復した。ただ、急速な動きに対する円買い介入への警戒感も根強いことから、どこまで堅調な動きが続くのか注目されている。
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、明日から週末まで主要な経済指標の発表が続くことから、利上げ継続に伴う米経済への影響を見極める上で注目されている。また、FOMC(日本時間3日AM3時)で大幅利上げの継続が予想されていることもあり、米長期金利の動きにも注目したい。