前営業日トピックス
東京市場では、ドル/円は上昇して始まったものの、米国の利上げペースの鈍化が意識されたことから上値の重い動きとなった。一方、クロス円は下落して始まったものの、日経平均株価が上昇して始まったことや、対ドルで底固い動きが続いたこともあり、堅調な動きが続いた。ただ、豪ドルは中国のコロナ規制の緩和期待が後退したことが影響して、対円で上値の重い動きとなった。欧州市場では、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなる場面もあったが、米長期金利の低下を受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、欧州時間から米長期金利が低下したことが影響し、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は一時146.09まで下落して3営業日ぶりの安値となった。その後、米長期金利が上昇に転じたことからドルは底固い動きとなり、ドル/円も146.74まで上昇した。ただ、米中間選挙、米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードも強まり、終盤まで小動きの展開が続いた。
米株式市場では、インフレに対する国民の不満を背景に、8日の米中間選挙で共和党が勝利して株価を押し上げるとの期待感が広がり、主要株価指数は堅調な動きとなった。さらに、FRBが利上げペースを減速させるとの思惑も引き続き支援材料となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、終盤に一時前週末比492ドル高まで上昇した。ただ、引けにかけて上げ幅を縮小し、423.78ドル高(+1.31%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、89.27ポイント高(+0.85%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、ドル/円はギャップアップして始まったものの、前週末の米雇用統計で失業率が悪化したことで、労働市場の緩みが示されたとの見方が示されたことが改めて意識され、ドルは上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対してギャップダウンして始まったものの、対ドルで値を戻す動きとなったことや、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、378円高まで上昇したこともあり、ドルは円に対して堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、欧州通貨は対ドルで落ち着いた動きとなったものの、対円では堅調な動きが続いた。また、中国が新型コロナウイル対策を緩和するとの期待が後退したことを受けて、豪ドルは上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨に対して上値の重い動きとなったことから、ドル/円も上値の重い動きが続いた。欧州市場では、円が売られたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったが、その後は米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落した。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、欧州時間から米長期金利が低下したことが影響した。さらに、米主要株価指数が堅調な動きとなったことでリスク・オンのドル売りも影響し、ドル/円は一時146.09まで下落して3営業日ぶりの安値となった。
(4)低下していた米長期金利が上昇に転じたことからドルは底固い動きとなり、ドル/円も146.74まで上昇した。しかし、8日に米中間選挙、10日に米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードも強まり、上値は限定的となり終盤まで小動きの展開が続いた。
本日のトピックス
前日の海外市場では、8日の米中間選挙、10日の米消費者物価指数の発表に対する思惑が交錯して動きが出る場面もあったが、全般的に様子見ムードが強まっていることもあり、限定的な動きとなった。本日も米国の主要な経済指標の発表がないことから、引き続き限定的な動きが予想されている。ただ、その中で思惑が交錯して米株式市場や金利の動きが注目されている。