前営業日トピックス
東京市場では、前日の米消費者物価指数の結果を受けてドル売りとなった流れが一服し、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が800円超上昇したことや、実需のドル買いが観測されたことも影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。午後に入り、上昇が一服するとドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、欧州時間ではドル売り・円買いが加速してドル円・クロス円は一段の下落となった。
米国市場では、米国の一部市場が休場となる中、前日の10月の米消費者物価指数の結果を受けてFRBによる金融引き締めが減速するとの思惑が引き続き影響し、ドルは連日の全面安となった。ドル/円は、序盤の139.80から138.46まで下落し、8/31以来の安値を付けた。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇となり、ユーロは対ドルで8/11以来、ポンドは8/26以来の高値を更新したものの、対円ではやや上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、前日の大幅上昇の反動もあり、序盤から利益確定の売りが先行した。ただ、前日の米消費者物価指数の結果を受けてFRBの利上げペースが減速するとの見方も根強く、下げ一服後は買いが優勢となり、主要株価指数は続伸となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比320ドル安まで下落した。下げ一服後は買いが優勢となり、32.49ドル高(+0.10%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、209.18ポイント高(+1.88%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の大幅下落が一服し、ドル円・クロス円は底固い動きとなり、値を戻す動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から大きく上昇し、一時前日比883円高まで上昇したことも支援材料となった。ドル/円は、前日の海外時間終盤に付けた9/5以来の安値140.21から142.48まで上昇した。
(2)午後に入り、上昇一服となりドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。新規材料に乏しい中で前日の米消費者物価指数の結果を受けてドル安となった流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して下落した。一方、ドル/円の下落に連れてクロス円も軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、Veterans Day(ベテランズデー/退役軍人の日)の祝日で米国の一部市場が休場となる中、前日の10月の米消費者物価指数の結果を受けてFRBによる金融引き締めが減速するとの見方が引き続き材料視され、ドルは連日の全面安となった。さらに、序盤に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が予想以上の大幅低下となったこともドルの圧迫要因となった。ドル/円は、序盤の139.80から138.46まで下落し、8/31以来の安値を付けた。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇となり、ユーロは対ドルで8/11以来、ポンドは8/26以来の高値を更新したものの、対円ではやや上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
先週末の米国市場では、10月の米消費者物価指数の結果を受けてドル安となった流れを引き継ぎ、ドル/円は8/31以来の安値を付けた。ただ、週明けの東京市場では下げ一服となり、ドル買い戻しの動きが先行した。さらに、ウォラーFRB理事が、FRBは次回政策会合で利上げペースの減速を検討する可能性があるとの見方を示したが、それをインフレ抑制に向けたFRBの取り組みの軟化と受け止めるべきでないと発言したことも加わり、ドルは堅調な動きとなった。
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がないことから限定的な動きも予想されているが、米中間選挙において上院で民主党が過半数を維持したことが決定したこともあり、株式市場の動きなどが注目されている。また、先週末休場となった債券市場の動きも注目されている。