前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなったものの、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後は、11月の米消費者物価指数の発表を控えて積極的な売買が手控えられ、限定的な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された11月の米消費者物価指数が市場予想を下回ったことを受けて、FRBの利上げペースが鈍化するとの観測が強まり、ドルは主要通貨に対して急落となった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は一時134.66まで下落した。一方、ユーロは対ドルで6/9以来の高値を付けたものの、対円ではドル/円の下落に連れて他のクロス円とともに下落した。
米株式市場では、序盤に発表された11月の米消費者物価指数が市場予想を下回ったことを受けて、FRBが金融引き締めのペースを緩和するとの見方が強まり、主要株価指数は序盤から買いが優勢となった。ただ、上昇一服後はターミナルレートが想定よりも高くなるとの警戒感から売りが優勢となり上げ幅を縮小した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前日比707ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時114ドル安まで下落する場面もあった。ただ、終盤にかけて再び堅調な動きとなり、103.60ドル高(+0.30%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、113.07ポイント高(+1.01%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。序盤に前日比274円高まで上昇した日経平均株価が65円高まで上げ幅を縮小したことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、再び上昇する場面もあったが、その後は米国時間に米消費者物価指数の発表が予定されていることもあり、様子見ムードが強まりドル円・クロス円は限定的な動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された11月の米消費者物価指数が市場予想を下回り、前年比ベースで2021年12月以来の低水準となったことを受けて、FRBの利上げペースが鈍化するとの観測が強まり、ドルは主要通貨に対して急落となった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.590%から3.412%まで低下したことも加わり、ドル/円は発表直前の137.26から134.66まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇となり、ユーロ/ドルは6/9以来、ポンド/ドルは6/10以来、豪ドル/米ドルは9/13以来の高値を更新したものの、対円ではドル円の下落に連れて軟調な動きとなった。
(4)下げ一服後は、マイナス圏まで下落したダウ平均株価が終盤にかけて再び堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
昨晩の米国市場では、米国のインフレ率が低下したことから、FRBの利上げペースの鈍化観測が強まり、ドルは主要通貨に対して大幅下落となった。東京市場でも、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。ただ、本日の米国時間でFOMCの金融政策発表が予定されていることから様子見ムードが強まり、前日同様に発表まで限定的な動きが続く可能性も考えられる。
FOMCでは、0.50%の利上げがコンセンサスとなっており、すでに織り込まれていることから、反応は限定的との見方もある。ただ、日米金利差拡大継続との思惑に加え、前日の大幅下落の反動も出てくる可能性も考えられる。注目は、メンバーの経済予想が発表されることから、今後の利上げのペースやターミナルレートの水準に関する思惑が交錯する可能性も考えられることから、結果に注目したい。