前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比300円超上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、翌日に注目の米消費者物価指数の発表を控えていることもあり、限定的な動きとなった。欧州市場では、株価の上昇や米長期金利の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、米当局者が次回のFOMCでは0.25%の利上げに傾いていると自身の考えを示したことを受けて、ドルは一段の下落となった。ドル/円は、欧州時間に付けた高値の132.87から132.29まで下落、ユーロは対ドルで一時1.0776まで上昇し、昨年5/31以来の高値を更新した。
米株式市場では、米国のインフレが鈍化しつつあるとの見方に加え、FRBが次回のFOMCで利上げ幅を縮小するとの期待感を背景に、主要株価指数は序盤から堅調な動きが続いた。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなり、終盤に一時前日比270ドル高まで上昇した。高値圏を維持したまま、268.91ポイント高(+0.80%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、1.89.04ポイント高(+1.76%)で終了、4営業日続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、前日の海外市場の堅調な動きが一服して上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比304円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、仲値公示近辺では実需のドル買い・円売りが観測されたこともドル円・クロス円の押し上げ要因となった。一方、11月の豪小売売上高が市場予想を大きく上回ったことから、豪ドルは堅調な動きとなった。ただ、その後は失速した。
(2)午後に入ると上昇が一服し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、ドル買いが続いた欧州時間の流れが一服し、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも序盤から底固い動きとなった。特に、複数のECBメンバーのタカ派発言を受けて、ユーロは対ドルで一時1.0776まで上昇し、昨年5/31以来の高値を更新した。
(4)翌日に米消費者物価指数の発表を控えて小動きとなったものの、ボストン連銀総裁が次回のFOMCでは0.25%の利上げに傾いていると自身の考えを示したことを受けて米長期金利が低下となり、ドル/円も一段の下落となった。ドル/円は、直前の欧州時間に付けた高値の132.87から132.29まで下落した。
本日のトピックス
東京市場では、日銀が大規模緩和の副作用点検との報道を受けて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軒並み下落し、ドル/円は序盤の高値132.50から131.54まで下落した。ただ、薄商いの中で過敏に反応したが、前回の会合後にある程度織り込んでいることもあり、一段の円高にはなり難いと考えられる。
本日の海外市場では、昨日のECBメンバーのタカ派発言などが意識され、ユーロは引き続き底固い動きが続くと見られており、また米国の消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが強まることが予想されており、発表まではドルは限定的な動きが見込まれている。
1/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(1/7までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.5万件 | 20.4万件 |
前回は市場予想を大幅に下回り、昨年9/23までの週以来の低水準となった。年末年始には変動が大きくなる傾向があり、前回はクリスマス休暇から年末31日までのデータであったことから、その影響が出たと見られている。今回は、前週から増加が予想されているが、年始の休みが含まれている週のデータであることから、市場予想と乖離する可能性も考えられる。 | ||||
22:30 | 米国 |
12月消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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6.5% | 7.1% |
前回は市場予想を下回り、2021年12月以来の低水準となった。5ヵ月連続の低下で、インフレの最悪期が過ぎた可能性が示唆された。今回は、さらに低下が予想されており、予想通りの結果なら、2021年10月以来の低水準となり、早期の利上げ休止を正当化する材料となる可能性もあり、結果とマーケットの反応に注目したい。 |