前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、日銀の金融政策決定会合で政策の現状維持が発表されたことを受けて円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は大幅上昇となった。ただ、上昇一服後は上げ幅を縮小する動きとなり、欧州時間に入り下げ幅を拡大した。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は一時127.56まで下落した。一方、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことから、クロス円も軟調な動きとなった。下げ一服後、米当局者のタカ派発言を受けてドルは値を戻す動きとなったものの、終盤までは上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、序盤から主要株価指数は堅調な動きとなったものの、米経済指標が景気減速を示す結果となったことを受けて売りが優勢となった。さらに、米当局者のタカ派発言などもあり、FRBが積極的な利上げを続けるとの警戒感が再燃し、米景気の先行き懸念を背景に下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤に前日比105ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて終盤に640ドル安まで下落した。引けにかけて安値圏を維持したまま613.89ドル安(-1.81%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、138.10ポイント安(-1.24%)で終了、8営業日ぶりに反落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えて様子見ムードが強まっており、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その後、日経平均株価が上昇して始まり、197円高まで上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)日銀の金融政策決定会合では、政策修正への期待が高まっていたものの、政策修正が見送られたことで円売りが優勢となり、ドル円・クロス円大幅上昇となった。ドル/円は、日銀の金融政策発表前の128.35から131.58まで上昇した。ただ、上昇一服後は、大幅上昇となった反動でドル円・クロス円は軟調な動きとなり、さらに米長期金利が低下したことも加わり一段の下落となった。
(3)米国場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。序盤に発表された米小売売上高や鉱工業生産が冴えない結果となったことに加え、米生産者物価指数が低下したことを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.466%から3.366%まで低下し、4ヵ月ぶりの低水準となったことも加わり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の129.15から127.56まで下落、またドル/円の下落や米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことから、クロス円も軟調な動きとなった。下げ一服後、米当局者のタカ派発言を受けてドルは値を戻す動きとなり、ドル/円は128.95まで上昇したものの、終盤までは上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日は、日銀の金融政策発表で政策の現状維持を発表したことを受けて円売りが優となった。しかし、黒田日銀総裁会見終了後から円買いが加速し、ドル円・クロス円は下げ幅を拡大する動きとなった。さらに、米経済指標が冴えない結果となったことや、物価関連の指標が低下したことで米長期金利も低下となり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
東京市場では、米長期金利の低下や、日経平均株価が下落したこと受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなったが、その後は底固い動きとなっており、日銀の政策の現状維持は3月まで継続するとの思惑もあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続くと見られている。
本日の米国市場では、新規失業保険申請件数や住宅着工件数などの発表が予定されており、昨日発表された経済指標が冴えない結果となり、米景気の先行きへの警戒感が高まっていることから、引き続き冴えない結果となるようなら、ドルの下振れの可能性も考えられる。
1/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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135.7万件 | 142.7万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、3ヵ月連続の減少となった。引き続き住宅ローン金利の上昇、物価上昇が続いていることが住宅市場を圧迫している。また、着工件数の先行指標となる許可件数が2020年5月以来の低水準となったこともあり、今回は引き続き減少が予想されている。 | ||||
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(1/14までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.4万件 | 20.5万件 |
前回は市場予想を下回り、2週連続の低下となったが、クリスマスや年末年始が含まれていた週であることが要因との見方も示された。今週は、休みが含まれた2週分の反動もあり、増加が予想されている。 |