前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったものの、その後下落に転じてマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、仲値公示にかけて実需のドル買いなどもありドルは底固い動きとなったが、午後に入り日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時218円安まで下落したことから、上値は限定的だった。下げ一服後は再び底固い動きとなり、米長期金利の上昇や欧州株の上昇を背景に、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことや、FRBが利上げを継続するとの思惑が広がったことで米長期金利も上昇となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の129.65から130.61まで上昇したが、上昇一服後は上値の重い動きとなり、さらに上昇していた米長期金利が一段の低下したことから、ドルは終盤に上値の重い動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された第4四半期米GDP速報値が市場予想を上回り、米景気の先行き懸念が和らいだことを受けて買いが優勢となった。さらに、次回のFOMCで利上げ停止に向けた議論が開始されるとの期待感も支援材料となった。ダウ平均株価は、上昇して始まったものの、一時前日比108ドル安まで下落する場面もあった。ただ、その後は再び上昇に転じて209ドル高まで上昇し、高値圏を維持したまま205.57ドル高(+0.61%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、199.05ポイント高(+1.76%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の軟調な流れを受けて、ドル/円は序盤から軟調な動きとなった。前日にカナダ中銀が利上げを一旦停止する可能性を示唆したことから、FOMCでも利上げ停止が示唆されるとの思惑からドルは軟調な動きとなった。その後、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことを受けて、ドル/円は底固い動きとなった。
(2)時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の安値の129.10から129.59まで上昇した。しかし、その後、米長期金利が低下したことから、ドル/円は129.02まで下落し、ドル/円の動きにクロス円も連れ安となった。欧州時間では、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された第4四半期の米GDP速報値が市場予想より強い内容となったことや、新規失業保険申請件数が昨年4月以来の低水準まで改善して労働市場の堅調さが示されたことで、米景気の先行き不安が後退したとの見方が広がり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、FRBが利上げを継続するとの思惑が広がったことで米長期金利も上昇となり、ドル/円は序盤の129.65から130.61まで上昇した。
(4)上昇一服後は上値の重い動きとなり、さらに、7年債入札が好調な結果となり、米長期金利が一段の低下となったことから、ドルは終盤に上値の重い動きとなった。一方、南ア中銀が0.25%の利上げを決定したものの、市場予想を下回る利上げ幅だったことを受けて、南ア・ランドは軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、東京都区部の消費者物価指数が発表され、前年比のコア指数が1981年5月以来の伸び率となったことを受けて、来月発表の全国の消費者物価指数も上振れる可能性もあり、円買いが優勢となった。特に、米国などでは利上げペースの減速懸念も出ていることから、引き続きドル円・クロス円は上値の重い動きが続く可能性も考えられる。
本日の米国市場では、12月の米個人所得・消費支出、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月の米中古住宅販売仮契約の発表が予定されており、前日同様に良好な結果となり、米景気の先行き懸念が和らぐのかどうか注目したい。また、ラガルドECB総裁の講演も予定されており、ECBの金融政策の方向性に関する発言には注目したい。
1/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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64.6 | 64.6 |
前回の速報は市場予想を上回り、2022年4月以来の高水準となった。1年先の期待インフレ率は2021年4月以来の低水準に低下したことで、消費者のマインドが改善した。今回の確報は、速報から変わらずが予想されており、修正がなければ反応は限定的と見られている。 |