前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が下落したことや、米長期金利が低下したことも圧迫要因となった。ただ、下げ一服後は底固い動きとなり、値を戻す動きとなった。ただ、欧州市場では円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。主要な米経済指標の発表がない中、複数の米当局者のタカ派発言を受けて米長期金利が上昇したことから、ドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時131.54まで上昇したが、その後に米長期金利が低下に転じたことに合わせて131.09まで下落した。ただ、終盤にはFRB理事のタカ派発言を受けて、ドル/円は再び131.46まで上昇した。
米株式市場では、複数の米金融当局者のタカ派発言を受けて、利上げが長期化して景気後退に陥るとの警戒感から主要株価指数は売りが優勢となった。ダウ平均株価は、下落して始まった後に一時プラス圏を回復する場面もあったが、その後は軟調な動きが続いて終盤には前日比256ドル安まで下落した。引けにかけてやや下げ幅を縮小して207.68ドル安(-0.61%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、203.27ポイント安(-1.68%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、序盤に前日比33円高まで上昇した日経平均株価が下落に転じ、一時226円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、仲値公示にかけてドル売りが観測されたこともあり、ドル/円は序盤の131.14から130.73まで下落した。
(2)下げ一服後は、値頃感の買い戻しなどから底固い動きとなり、また対ユーロなどで円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州時間では、円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の軟調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。主要な米経済指標の発表がない中、ニューヨーク連銀総裁が5.00%-5.25%のピークレートは依然として妥当、インフレ抑制には数年間十分な制限的な政策スタンスを維持する必要と発言するなど、複数の米当局者のタカ派発言を受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.690%まで上昇して1/6以来の高水準となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の131.03から131.54まで上昇した。
(4)その後、米長期金利の上昇が一服して低下に転じたことに合わせ、ドル/円も131.09まで下落した。ただ、終盤にはウォラーFRB理事が予想よりも長い間高い金利が必要になる可能性、しばらくの間引き締め政策を維持する必要があると発言したことを受けて、ドル/円は再び131.46まで上昇した。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、主要な経済指標の発表がない中、複数のFRB高官のタカ派発言を受けて、ドルは堅調な動きとなった。一昨日のパウエルFRB議長のディスインフレとの発言もあり、マーケットでは米消費者物価指数の結果発表まではポジションを傾けにくいとの見方もあり、慎重になっている。
一方、複数のECB高官のタカ派発言もあるが、積極的な金融引き締め維持に伴う景気減速への懸念も高まっている。また、米国の利上げ終了時期が近いとの見方もあり、対ドルでは昨年11月から今年2月まで堅調な動きが続いたこともあり、高値を警戒する動きもある。そのため、ユーロも買い難いとの見方もある。
本日の米国市場では、雇用関連の経済指標の発表が予定されており、引き続き堅調な結果が維持されると見られている。この結果を受けて、積極的な利上げ継続との見方からドルが買われる動きとなるのか、やはり消費者物価指数を見極めたいとの様子見ムードが強まるのか注目したい。
2/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(2/4までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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19.0万件 | 18.3万件 |
前回は市場予想を下回り、3週連続の減少で昨年4/22までの週以来の低水準となり、雇用市場の堅調さが続いていることが示された。大手企業の人員削減がある中でも、求人数が歴史的高水準を維持していることが影響している可能性も考えられる。今回は、前週から増加が予想されているものの、引き続き低水準が維持されて堅調さが維持されると見られている。 |