前営業日トピックス
東京市場では、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで軟調な動きとなったものの、ドル/円の上昇に連れて対円では底固い動きとなった。欧州市場では、円買いが先行したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、また欧州主要株価指数が下落して始まったことも影響した。
米国市場では、良好な経済指標の結果を受けて、米金利が上昇したことに伴いドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。終盤には、アトランタ連銀総裁が「夏の中頃から終盤までに利上げの休止があり得る」との見方を示したことで金利上昇が一服となり、ドルも上値の重い動きとなった。ドル/円は、一時137.09まで上昇して昨年12/20以来の高値を更新したものの、その後は上値の重い動きとなった。
米株式市場では、労働関連の経済指標が良好な結果となったことで米長期金利が上昇し、金利動向に敏感なナスダック、S&Pは序盤から軟調な動きとなった。ただ、良好な企業決算を好感してIT大手の株価が大幅上昇したこともあり、ダウ平均は序盤から底固い動きとなった。その後、FRBの利上げペース加速への警戒感が後退したとの見方から主要株価指数は堅調な動きとなり、ダウは上げ幅を拡大、ナスダックとS&Pはプラス圏を回復した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後、時間外取引で米長期金利の指標となる米10年債利回りが前日の米国市場でつけた水準を上回る4.025%まで上昇し、昨年11/10以来約4ヵ月ぶりの高水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の136.02から136.44まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したことや、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏に押し込んだことから、対円でも上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、米長期金利の上昇とともにドルは一段の上昇となり、ドル/円は136.87まで上昇した。一方、ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなった。しかし、上昇一服後は円買いの動きが優勢となり、ドル円・クロス円は下落に転じた。ただ、下落して始まった欧州主要株価指数が下げ幅を縮小したことから、底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となり、7週連続で20万件を下回ったことや、非農業部門労働生産性の確報で単位労働コストが上方修正されたこと受けて米金利上昇が軒並み上昇し、ドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の136.67から137.09まで上昇して昨年12/20以来の高値を更新した。
(4)上昇一服となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなったが、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.089%まで上昇して昨年11/10以来の高水準を更新したことに伴い、ドルは再び堅調な動きとなった。ただ、アトランタ連銀総裁が「3月は0.25%の利上げを支持する」「夏の中頃から終盤までに利上げの休止があり得る」との見方を示したことで金利上昇が一服し、ドルも上値の重い動きとなった。ものの、その後は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日発表された米経済指標の結果を受けて、米金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。マーケットでは、次回のFOMCで利上げ幅が前回の0.25%から0.50%に拡大するとの見方がある一方、昨日米当局者が0.25%の利上げが望ましいとの見方を示したことでドルが下落するなど、思惑が交錯する動きとなった。また、ラガルドECB総裁が利上げ幅はデータ次第との見方を示したことから、先月の発言(3月は0.50%の利上げの予定)を受けて高まっていた大幅利上げ期待が後退となり、ユーロも上値の重い動きとなった。引き続き、経済指標の結果を受けて欧米の金融政策に対する思惑が交錯する展開が続くと見られている。また、来週の日銀金融政策決定会合に対する思惑も加わり、神経質な展開が続く可能性も考えられる。
本日は、ISM非製造業景況指数の発表が予定されており、引き続き結果には敏感に反応する可能性も考えられる。また、来週の米雇用統計の結果を占う上で雇用指数の結果にも注目したい。
3/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
2月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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54.5 | 55.2 |
前回は市場予想に反して上昇となり、2020年5月以来の低水準となった12月の結果から大きく改善した。景気の拡大・後退の判断基準である50を回復したことで、消費者の需要が改善し、景気減速懸念が薄れたことが示された。今回は、前回から小幅低下が予想されているが、引き続き堅調さが維持されると見られている。 |