前営業日トピックス
休場明けの東京市場では、金融システム不安への懸念が和らいだことや、日経平均株価が序盤から大幅上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後は上値の重い動きとなり、その後はFOMCを控えて限定的な動きが続いた。欧州時間では、下落して始まった欧州主要株価指数が上昇に転じたことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、FOMCの結果発表を控えたポジション調整の売りや、米金利が低下に転じたことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。FOMCでは、0.25%の利上げが決定されたが、パウエルFRB議長が会見で「利上げの休止を検討した」と発言したことを受けて、ドルは一段の下落となった。ドル/円は、序盤の133.00から131.01まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇していたが、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことを受けて、引けにかけて上げ幅を縮小し、対円では一段の下落となった。
米株式市場では、FOMCの結果発表を控えて、主要株価指数は序盤から小動きの展開となった。FOMCでは0.25%の利上げを決定したものの、パウエルFRB議長が「利上げ休止を検討した」と発言したことを受けて、主要株価指数は堅調な動きとなった。しかし、その後に「メンバーは年内の利下げを見込んでいない」、「利上げが必要であればさらに利上げをする」と発言したことが嫌気されて下落に転じ、下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、一時前日比201ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて530.49ドル安(-1.63%)まで下落して終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、190.15ポイント安(-1.60%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、欧米の金融システムに対する過度な懸念が後退した海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤からか堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から500円超上昇したことも押し上げ要因となった。その後、仲値公示にかけて実需のドル売り・ドル買いが交錯したこともあり、ドル/円はやや上値の重い動きとなる場面もあったが、仲値通過後は再び堅調な動きとなり、ドル/円は132.26から132.78まで上昇した。
(2)上昇一服後は、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなり、米FOMCの結果発表を控えてポジション調整のドル売りが見られたとの声も聞かれた。その後は、FOMCの結果を見極めたいとの様子見ムードも強く、小動きの展開が続いた。欧州時間では、下落して始まった欧州主要株価指数が上昇に転じたことや、時間外取引で米金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。FOMCの結果発表を控えたポジション調整の売りや、上昇していた米金利が低下に転じたことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(4)注目のFOMCでは、予想通り0.25%の利上げが決定されたが、声明で利上げに関する文言が削除されていたことや、パウエルFRB議長が会見で「利上げの休止を検討した」と発言したことを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが序盤の3.641%から3.426%まで低下となり、ドルは一段の下落となった。ドル/円は、序盤の高値133.00から131.01まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇していたが、ダウ平均が高値から730ドル超下落するなど主要株価指数が軒並み大幅下落となったことを受けて、引けにかけて上げ幅を縮小し、対円では一段の下落となった。その後は、FRB議長が「メンバーは年内の利下げを見込んでいない」、「利上げが必要であればさらに利上げをする」と発言したことを受けて、底固い動きとなった。
本日のトピックス
昨晩のFOMCでは、0.25%の利上げが決定されたものの、声明から「利上げが適切」との文言が削除されたことからドルは主要通貨に対して下落した。さらに、パウエルFRB議長が「利上げの休止を検討した」と発言したことを受けて、米金利の低下が加速したこともドルの圧迫要因となった。東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から軟調な動きとなった。ただ、年内の利上げの可能性を否定したことや、追加利上げの可能性に言及したこともあり、130円台では底固い動きが続くとの見方もある。
本日の海外市場では、英国、スイス、トルコ中銀などの金融政策発表が予定されている。特に、英中銀の金融政策発表では、前回フォワードガイダンスの文言を修正して利上げの停止が近いことが示唆されたことから、今回利上げサイクルを停止するのか、または最後の利上げとなるのか注目されている。米国時間では、新規失業保険申請件数や新築住宅販売件数などの発表が予定されており、こちらの結果も注目されている。
3/23の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:00 | 英国 |
英中銀 政策金利
金融政策委員会(MPC 〜Monetary Policy Committee)は、イングランド銀行に設置されている委員会であり、総裁、副総裁(2名)、チーフ・エコノミスト、エグゼクティブ・ディレクター、4名の外部委員からなる9名の委員で構成されている。毎月上旬に開催され、政策は木曜日の会合後に発表を行う。
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4.25% | 4.00% |
前回は0.50%の利上げを決定して、10会合連続の利上げとなったが、フォワードガイダンスの文言を修正して利上げ停止が近いことを示唆した。また、利上げを継続しているにもかかわらず、英国の消費者物価指数はかなり緩やかな低下となっており、さらに英国のGDPは昨年3Qがマイナス、4Qがゼロと景気を圧迫している。さらに、世界の金融不安が浮上してきたこともあり、今回は利上げサイクルを停止するのか、最後の利上げとなるのか注目されている。 |