前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の動きを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。日経平均株価が下落して始まったことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。下げ一服後は、値を戻す動きが見られたものの、戻りは一時的となり、その後も上値の重い動きとなった。また、欧州市場では欧州主要株価指数が下落したことでリスク回避の円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米耐久財受注が予想に反してマイナスとなったものの、3月の米製造業PMIが市場予想を上回ったことを受けてドルは堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は130.90まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上値の重い動きが続いたものの、ドル/円の上昇や米主要株価指数が上昇に転じたこともあり、対円では底固い動きが続いた。
米株式市場では、欧州主要株価指数の下落に加え、米景気悪化への警戒感も根強く、主要株価指数は序盤から売りが優勢となった。その後、米財務長官が金融安定監視評議会の会合を招集したとの報道や、米当局者が金融システムの安定化に対して楽観的な見方を示したことを好感して買いが優勢となり、主要株価指数は軒並みプラス圏を回復して終了した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比300ドル安まで下落した。しかし、その後は買いが優勢となり、プラス圏を回復して上げ幅を拡大し、132.28ドル高(+0.41%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、36.56ポイント高(+0.31%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場で引き続き欧米金融システムへの懸念を背景にリスク回避の動きが強まった流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が下落して始まり、一時前日比162円安まで下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。また、実質的な五・十日に伴い仲値公示にかけて実需のドル売りが観測されたこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は序盤の高値130.94から130.17まで下落した。
(2)仲値通過後は、日経平均株価は22円安まで下げ幅を縮小したことや、米長期金利が持ち直したこともあり、ドル円・クロス円は値を戻す場面もあったが、上値は限定的となり再び上値の重い動きとなった。ドル/円は、一時130.07まで下落し、さらに欧州主要株価指数が序盤から軟調な動きとなり、特に金融株が下落したことで金融不安への懸念が再燃し、リスク回避の動きが優勢となった。また、米長期金利の指標となる米10年債利回りが、3.409%から3.279%まで低下したことから、ドル/円は一時129.64まで下落して2/3以来の安値を更新した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米耐久財受注が予想に反してマイナスとなったものの、3月の米製造業PMIが市場予想を上回ったことを受けてドルは堅調な動きとなった。欧州時間に低下していた米10年債利回りが3.392%まで上昇したことを受けて、ドル/円は130.90まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上値の重い動きが続いたものの、ドル/円の上昇や序盤に300ドル超下落したダウ平均株価が上昇に転じてプラス圏を回復したこともあり、対円では底固い動きが続いた。
本日のトピックス
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中限定的な動きが予想されている。ただ、先週末に欧州の銀行株が大幅下落となったことや、イエレン米財務長官が金融安定監視評議会の緊急会合を招集したことを受けて、欧米の金融不安に対する懸念が深刻と受け止める向きもあり、上値は限定的との見方もある。そのため、金融不安に関連する報道などには過敏に反応する可能性も考えられることから注意も必要だろう。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の雲下限ラインを下抜けて一段の下げとなった。一目均衡表では、三役逆転(基準線と転換線がクロス、遅行スパンが価格帯を下抜ける、価格が雲下限を下抜ける)の弱気シグナルとなっており、ここから一段の下げとなるのか、底固い動きとなるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小傾向であることから、ここから更に乖離幅の縮小が続いて両線がクロスして堅調な動きを示唆する形状となるのか注目したい。また、日柄的には31日はここまでの流れが加速・反転する可能性が高まる日柄であることから、この近辺での動きにも注目したい。
目先の下値のポイントは、直近安値の129.637となり、ここを下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられる。一方、上値のポイントは雲下限ラインの131.805と考えられる。