前営業日トピックス
東京市場では、年度末の実需のドル買いなども観測され、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から340円超上昇したことも押し上げ要因となった。しかし、仲値通過後は実需の買いが一服したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、欧州時間では再び堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された2月の米PCEコア・デフレーターが市場予想を下回ったことを受けて、ドルは軟調な動きとなった。しかし、月末・四半期末のロンドンフィキシングに絡んだドル買いが優勢になると、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は序盤の133.29から132.62まで下落した。
米株式市場では、序盤に発表された2月の米PCEデフレーターの伸び率が低下したことから、FRBの利上げサイクルが鈍化するとの観測から、主要株価指数は序盤から買いが優勢となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、終盤には一時前日比431ドル高まで上昇した。引けにかけて高値圏を維持したまま、415.12ドル高(+1.26%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、208.44ポイント高(+1.74%)で終了し、終値ベースで昨年9/12以来の高値を更新して終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から340円超上昇したことや、年度末最終日であり、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、M&Aがらみのドル買い・円売りとの声もあった。ドル/円は序盤の132.59から133.49まで上昇した。
(2)仲値通過後は売りが優勢となり、さらに時間外取引で米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は一時132.69まで下落した。その後、欧州時間では、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は3/17以来の高値を更新した。
(3)米国市場では、序盤に発表された2月の米個人所得・支出統計で、PCEコア・デフレーターが市場予想を下回ったことを受けて、FRBの利上げペースが鈍化するとの見方が広がり、ドルは軟調な動きとなった。しかし、その後は月末・四半期末のロンドンフィキシングに絡んだドル買いが優勢になると、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなる場面もあった。ただ、買い一巡後は米長期金利の指標となる米10年債利回りが下げ幅を拡大し、序盤の3.556%から3.465%まで低下したことからドル/円も序盤の高値133.29から132.75まで下落した。その後、133.32まで値を戻したものの、終盤には再び軟調な動きとなり、132.62まで下落した。
本日のトピックス
前週末の海外市場では、FRBが利上げペースの減速への思惑に加え、米金利低下を背景にドル売り・円買いが優勢となった流れが一服し、週明けの東京市場ではドル円・クロス円はギャップ・アップして始まった。ただ、その後は上値の重い動きとなっており、東京時間でも海外市場の流れを受けて上値の重い動きが予想されている。
本日の海外市場では、ユーロ圏やドイツなどの製造業PMIの発表が予定されているが、確報値であることから、速報値から乖離しなければ反応は限定的と見られている。一方、米国市場でも製造業PMIの発表が予定されており、限定的な反応と予想されているが、その後にISM製造業景況指数の発表が予定されており、ここまで4ヵ月連続で景気後退を示す結果が続いていることから、こちらの結果には注目したい。景気後退を示す結果となる場合には、ドルの下振れとなる可能性も指摘されている。
4/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
3月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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47.5 | 47.7 |
前回は市場予想を下回ったものの、6ヵ月ぶりの上昇となった。しかし、製造業の景気拡大・縮小の判断基準となる50を4ヵ月連続で下回っており、景気後退が続いていることが示された。今回は、小幅低下が予想されており、インフレ圧力を背景に依然として縮小が続いていることが示されると見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の雲上限近辺で上値の重い動きとなっており、目先ここを上抜けて重要な上値のポイントである一目均衡表の基準線も上抜けて一段の上昇となるのか注目されている。
目先のポイントとなる雲上限ラインは、本日133.435に位置しているが、ここから連日上昇して7日には134.078まで上昇する。一方、基準線は来週後半まで現状の133.773で横ばいが続くことから、これらを上抜けるのか注目したい。また、目先の動きを見る上で注目されるオシレーターのMACDでは、両線がクロスしたことから、ここから両線が上向きとなり、さらに乖離幅が拡大すれば目先の上昇を示唆する形状となることから、こちらの形状にも注目したい。
一方、下値のポイントは雲下限ラインとなり、ここを下抜ける場合には再び軟調な動きとなる可能性も考えられる。