前日の米経済指標の悪化や、欧米の主要株価指数が下落したことが改めて材料視され、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。また、日経平均株価か380円超下落したこと加わり、上値の重い動きとなった。ただ、仲値公示にかけては実需のドル買いが観測されたことから、値を戻す動きも見られたが、上値は限定的だった。欧州時間では、欧州主要株価指数が上昇して始まったことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。

米国市場では、序盤に発表された米雇用関連の経済指標が予想より増加したことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円も130.97まで下落した。ただ、その後は米金利が持ち直したことから、ドル/円も131.91まで上昇した。

米株式市場では、序盤に発表された米雇用関連の経済指標が冴えない結果となったことを受けて、米景気の先行きへの警戒感から売りが先行した。ただ、その後はFRBの金融引き締め姿勢を見極める上で注目される米雇用統計の発表を控えて売買が手控えられたこともあり、限定的な動きが続いた。ダウ平均株価は、下落して始まり一時前日比157ドル安まで下落した。その後は堅調な動きとなり、43ドル高まで上昇したものの上値は重く、2.57ドル高（+0.01％）で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、91.10ポイント高（+0.76％）で終了した。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）前日の海外市場終盤の底固い動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。日経平均株価が序盤から下落し、前日比340円超下落したことも圧迫材料となった。その後は、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドル/円は序盤の安値130.78から131.29まで上昇した。

（2）午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、385円安まで下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。その後、米長期金利が上昇したことや、欧州主要株価が上昇して始まったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。

（3）米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が予想より増加したことや、前回結果が大幅に増加方向に修正されたことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.247％まで低下し、昨年9/9以来の低水準となったことから、ドル/円も序盤の131.54から130.97まで下落した。

（4）その後、米当局者のタカ派発言や、低下していた米金利が持ち直したことから、ドル/円も131.91まで上昇した。一方、欧州通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。

本日の海外市場は、Good Friday（聖金曜日）のため欧州市場全般、米国の一部市場が休場となる。その中で、米国の雇用統計の発表が予定されており、発表までは限定的な動きが予想されており、結果が注目されている。

ここまで米雇用関連の経済指標の冴えない結果が続いたことから、雇用統計も冴えない結果となるようなら、FRBの利上げサイクルの終了、又は年内の利下げへの思惑が高まる可能性もあり、結果を受けて動きが大きくなる可能性も考えられる。ただ、値動きが一服すれば、再び限定的な動きが続くと見られている。

時間	国・地域	経済指標・イベント	予想	前回
21:30	米国	3月非農業部門雇用者数 非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。	23.0万人	31.1万人
		前回は市場予想を上回ったものの、失業率や平均時給が悪化したことから、ドルは軟調な動きとなった。今回は、先に発表されたADP雇用統計など雇用関連の経済指標が軒並み悪化したことから、非農業部門雇用者数も前月から伸び幅の縮小が予想されている。予想以上の縮小となる場合には、労働市場の減速懸念が高まる可能性も考えられる。