前営業日トピックス
東京市場では、銀行不安や景気減速懸念を背景に株安となった海外市場の流れを受けて、日経平均株価が序盤から下落したことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ただ、その後日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、欧州時間に入ると円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された第1四半期米GDP速報値でFRBが物価の目安として注目するコアPCEが市場予想を上回ったことを受けて米金利が上昇となり、ドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時134.19まで上昇したものの、その後に発表された米住宅関連の指標が悪化したことや、金利の上昇が落ち着いたことから、終盤まで上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、前日引け後に発表されたハイテク大手の決算発表が良好だったことを受けて、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、ファースト・リパブリック・バンク株が反発したことも投資家心理を改善させ、主要株価指数は軒並み大幅上昇となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、終盤に一時前日比557ドル高まで上昇した。引けにかけて高値圏を維持したまま、524.29ドル高(+1.57%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、287.89ポイント高(+2.43%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。下落して始まり、一時前日比174円安まで下落した日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことも支援材料となり、ドル/円は序盤の133.39から133.70まで上昇した。
(2)上昇一服後は、やや上値の重い動きとなったものの、午後に入り日経平均株価がプラス圏に回復して43円高まで上昇したことや、米長期金利の上昇が続いたことも加わり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。しかし、欧州時間に入ると円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軒並み軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された第1四半期の米GDP速報値が市場予想を下回る伸びとなったものの、FRBが物価の目安として注目するコアPCEが前期の結果を大きく上回ったことを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.444%から3.535%まで上昇となり、これに合わせてドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、発表直後の133.22から134.19まで上昇した。ただ、その後に発表された中古住宅販売仮契約が悪化したことや、金利の上昇が落ち着いたこともあり、ドルは終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
日銀が金融政策決定会合の結果発表で政策の据え置きを発表すると見られている。政策の据え置きならば、円売りとなる可能性もあるが、据え置き予想が大勢となっていることから、上値は限定的と見られている。ただ、植田総裁が会見で政策修正に向けたガイダンスを発表するとの見方も一部では警戒されており、発言の内容が注目されている。
政策修正を発表すれば、サプライズとなることから円買いが加速する可能性も考えられる。また、ガイダンスを発表した場合も円買いに振れる可能性が考えられるが、5月のFOMCで0.25%の利上げが見込まれていることもあり、ある程度で底固い動きとなる可能性も考えられる。
米国市場では、米個人所得・支出統計、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、結果が注目される。特に、先日発表されたコンファレンズボードの消費者信頼感指数が悪化したこともあり、ミシガン大学消費者信頼感指数の結果に注目したい。