前営業日トピックス
東京市場では、先日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が上昇して始まり、2021年9月以来の3万円台乗せとなったことから、リスク選好の動きが強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。ただ、欧州時間ではドルが主要通貨に対して堅調な動きとなり、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米住宅関連の経済指標が強弱まちまちの結果となったものの、米長期金利の上昇を受けてドルは堅調な動きとなった。さらに、米債務上限問題に関して楽観的な見方が示されたことから株価も大幅上昇となり、リスク選好の動きからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米株式市場では、米債務上限問題に関して米大統領と下院議長がともに楽観的な見方を示したことを受けて、協議が合意に達して債務不履行が回避されるとの期待感が高まり、序盤から買いが優勢となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、一時前日比460ドル高まで上昇した。終盤にかけて下げ幅を縮小したものの、408.63ドル高(+1.24%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、157.52ポイント高(+1.28%)で終了し、終値ベースで2022年8/25以来の高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が序盤から上昇となり、前日比217円高まで上昇するなど、2021年9/28以来の3万円台乗せとなったことでリスク選好の円売りが優勢となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が一段の上昇となり、前日比272円高まで上昇したことで、ドル円・クロス円も一段の上昇となった。欧州時間に入ってもドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の136.31から137.17まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米住宅着工件数が前月から増加したが、建設許可件数が減少するなど、米住宅関連の経済指標は強弱まちまちの結果となった。ただ、米債務上限問題に関して、バイデン大統領が「デフォルトにならないよう合意できると確信している」と発言し、マッカーシー下院議長も楽観的な見方を示したことから株価が大幅上昇となり、さらに米長期金利の指標となる米10年債利回りも3.513%から3.586%まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の136.91から137.66まで上昇して5/2以来の高値を更新した。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、米債務上限問題を巡る楽観的な見方が広がり、デフォルトへの警戒感が後退したことから、米主要株価指数が軒並み大幅上昇するなど、リスク選好の動きからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、良好な米経済指標の結果が続いていることから、年内の利下げ観測が後退していることや、米当局者が追加利上げの可能性を示唆したこともあり、米金利の上昇が続いていることもドルの押し上げ要因となっている。
マーケットでは、引き続きドルの堅調な動きが続くと見られている。特に、本日の米国市場では、雇用、製造業、住宅、景気指数などの発表が予定されており、良好な結果となる場合には追加利上げ期待が高まる可能性や、米金利の上昇も予想され、これがドルの押し上げに寄与する可能性もあることから、経済指標の結果に注目が集まっている。また、複数の米当局者の発言も予定されており、先日のように金融政策に関してタカ派的な見解が示されるのかどうか、発言の内容にも注目したい。
5/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
25.2万件 | 26.4万件 |
前回は市場予想を上回り、2021年10/29までの週以来の高水準となった。また、失業保険継続受給者数も前週から増加となり、労働市場の減速傾向が続いていることが示された。今回は、3週ぶりの減少が予想されており、ここから再び改善が示されるのか注目されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
|
430万件 | 444万件 |
前回は市場予想を下回り、2022年9月以来の高水準となった2月の結果から減少となった。今回は、引き続き減少が予想されており、住宅市場の回復への不安定さが示されると見られている。 |