前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じ、一時前日比340円超下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が前日から低下したことも加わり、ドル/円は一時139.37まで下落して6/14以来の安値を更新した。その後は値を戻す動きが見られたものの上値は重く、また米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードも強まり、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。
米国市場では、6月の米消費者物価指数が予想以上に鈍化したことでFRBの利上げ長期化観測が後退し、米金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、一時138.16まで下落して5/22以来の安値を更新した。その後、米地区連銀経済報告で経済活動の拡大継続が明らかになったことや、米金利の低下が一服したことから、ドル/円は引けにかけてやや値を戻す動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された6月の米消費者物価指数が市場予想を下回ったことを受けて、FRBの利上げ長期化への警戒が和らぎ、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも支援材料となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比325ドル高まで上昇した。ただ、その後は上値の重い動きが続き、86.01ドル高(+0.25%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、158.26ポイント高(+1.15%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場後半の軟調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。米国時間に6月の米消費者物価指数の発表が予定されており、発表を前にポジション調整のドル売りに加え、上昇して始まった日経平均株価が411円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は下げ幅を拡大した。ドル/円は、序盤の140.38から139.37まで下落して、6/14以来の安値を付けた。
(2)下げ一服後は底固い動きとなり、下落していた日経平均株価がやや下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。一方、ニュージーランド中銀は、政策金利を予想通り5.50%に据え置き、2021年8月以来約2年ぶりの据え置きとなった。NZドルは、発表直前に下落したものの、その後は上昇に転じた。NZドル/円は、一時86.51まで下落して6/14以来の安値となったが、下げ一服後は上昇に転じて87.06まで上昇した。その後、米長期金利が低下したことからドル売り・円買いとなり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は139.31まで下落した。ただ、米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードも強まっており、下値は限定的でその後は小動きの展開が続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された6月の米消費者物価指数が前年比ベースで市場予想の3.1%を下回る3.0%と予想以上に鈍化したことで、FRBの利上げ長期化観測が後退し、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.956%から3.841%まで低下するなど米金利が軒並み低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、序盤の139.64から138.16まで下落して5/22以来の安値を更新した。その後、米地区連銀経済報告で経済活動の拡大継続が明らかになったことや、米金利の低下が一服したことから、ドル/円は引けにかけて138.51まで値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
昨日発表された6月の米消費者物価指数が予想以上の低下となったことから、FRBの利上げ長期化観測が後退してドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。インフレが予想以上の鈍化となったことで、マーケットが敏感に反応したと考えられる。また、金利先物市場では7月のFOMCでの0.25%の利上げを88%織り込む水準(消費者物価指数発表前から変わらず)となっている。前回のFOMCでは、年内2回の利上げを予想としたものの、マーケットでは年内1回の利上げとの見方が大勢となっている。マーケットでは、利上げ1回分をすでに織り込んでいることから、ドルはここから大幅な上昇は期待できないとの見方もあり、この近辺でもみ合いの展開となるのか、さらに一段の下落を予想する向きもあり、ここからの方向性が注目されている。
本日の米国市場では、米生産者物価指数、新規失業保険申請件数の発表が予定されており、前日に物価の鈍化が示されたことから、生産者物価指数の結果も注目されている。また、足元の雇用市場の鈍化が見られていることもあり、目先きの雇用情勢を見極める上で新規失業保険申請件数の結果が注目されており、結果を受けたマーケットの反応に注目したい。
7/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(7/8までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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25.0万件 | 24.8万件 |
前回は市場予想を上回り、前週から増加した。6月の平均は25.5万件となり、5月の平均の23.0万件から増加しており、単純計算で5月から約10万件増加したことになる。今回は、前週から増加が予想されており、労働市場の鈍化傾向が続くと見られている。 |