前営業日トピックス
週明けの東京市場では、前週末の海外市場の堅調な動きが一服し、序盤から円の買い戻しが優勢となった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル売りが観測されたことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、主要中銀の金融政策発表を控えて一方的な売買が手控えられており、その後は値を戻す動きが優勢となった。欧州時間では、欧州の経済指標の悪化を受けて、ユーロが主要通貨に対して下落となり、ドルも対円で軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米製造業PMIが市場予想を上回ったものの、非製造業PMIが予想を下回る結果となったこともあり、ドルは一時下振れする動きも見られた。その後、米長期金利が上昇に転じて上げ幅を拡大したことから、ドルも主要通貨に対して堅調な動きが続き、ドル/円は指標発表後の安値の140.75から141.55まで上昇した。
米株式市場では、FRBの利上げ長期化観測が後退していることや、本格化している米企業の決算発表への期待の高まりを背景に、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比236ドル高まで上昇した。終盤には上げ幅を縮小し、183.55ドル高(+0.52%)で終了、11営業日続伸となり、終値べ―スでは2022年2/9以来の高値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、序盤にマイナス圏まで下落する場面もあったが、その後は底固い動きが続き、26.06ポイント高(+0.19%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。ただ、FOMCや日銀の金融政策発表を控えて様子見ムードも強まっていたことや、神田財務官が「日本の物価・賃金の動向は最近のデータで予想より上振れしている」としたことも下支え要因となっていると見られている。
(2)FOMCや日銀の金融政策発表を控えて一方的な売買が手控えられており、下げ一服後は、日経平均株価が午後に入り上げ幅を拡大して一時前週末比489円高まで上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことも影響して、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、主要中銀のイベントを控えて上げ幅は限定的だった。欧州時間では、ドイツやユーロ圏の製造業PMIが悪化したことを受けて、ユーロが主要通貨に対して下落となり、ユーロ/円の下落に加えて米長期金利の低下も加わりドルも対円で軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、米長期金利の低下を背景に下落が続いた欧州時間の流れが一服し、ドルは序盤から堅調な動きとなった。ただ、序盤に発表された米製造業PMIが市場予想の46.2を上回る49.0となったものの、非製造業PMIが市場予想の54.0を下回る52.4となったこともあり、ドルは一時下振れする動きも見られた。しかし、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.789%から3.876%まで上昇するなど、低下していた米金利が軒並み上昇に転じて上げ幅を拡大したことから、ドルも主要通貨に対して堅調な動きが続き、ドル/円は指標発表後の安値の140.75から141.55まで上昇した。一方、ドイツやユーロ圏の製造業PMIが悪化したことを受けて、ユーロは対ドルで欧州時間の1.1147から1.1060まで下落して7/12以来の安値となり、対円では157.69から156.24まで下落した。
本日のトピックス
本日から米FOMCが開催(結果発表は日本時間27日午前3時)されることから、結果発表までは様子見ムードが強まる可能性もあり、限定的な動きが予想されている。特に、FOMCでは0.25%の利上げがほぼ織り込まれていることから、予想外の結果とならなければ、週末の日銀の金融政策発表待ちの展開となるとの見方もある。その中で、本日の米国時間では、7月の米消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数の発表が予定されており、結果を受けてFOMCの結果に対する思惑が交錯して米金利の動きととも主要通貨に動きが出る可能性もあることから、指標発表時の動きには注意したい。
7/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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112.0 | 109.7 |
前回は市場予想を上回り、2022年1月以来の高水準となった。現況指数、期待指数ともに前月から上昇となり、労働市場と景気拡大に対する楽観的な見方が強まったことが示された。今回はさらに上昇が予想されているものの、一部では米国の景気後退を予想する向きもあり、6ヵ月先の見通しを反映する期待指数の結果に注目したい。 |