前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均株価が下落したことや、米金利の低下を受けてドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、午後に入り株価が下げ幅を縮小したことや、米金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州時間に入っても底固い動きが続き、米長期金利の上昇を背景に、ドル/円は141.72まで上昇した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことから、ドルは堅調な動きとなった。しかし、上昇していた米金利が低下に転じたことや、ロンドンフィキシングにかけてドル売りが観測されたこともあり、ドルは軟調な動きとなった。下げ一服後は、米金利が持ち直したことからドル/円は値を戻す動きが見られたものの、終盤には再び金利が低下に転じたこともあり、ドル/円も再び下落した。
米株式市場では、FOMCで利上げが確実視されているものの、その後の追加利上げ観測が後退していることや、米企業の良好な決算発表を好感して主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、終盤には利益確定の動きなどもあり、上げ幅を縮小した。ダウ平均株価は、序盤に45ドル安まで下落したものの、その後は堅調な動きが続き、一時前日比116ドル高まで上昇した。しかし、連日上昇が続いたことで利益確定の動きもあり、終盤に上げ幅を縮小して26.83ドル高(+0.08%)で終了、終値ベースでは2022年2/9以来の高値を更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、85.68ポイント高(+0.61%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比137円安まで下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことも圧迫要因となった。ドル/円は、序盤の141.62から141.20まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大して191円安まで下落したものの、引けにかけて18円安まで下げ幅を縮小したことや、低下していた米長期金利が上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は、141.57まで上昇した。その後、上値の重い動きが見られたものの、欧州時間に入り、米長期金利が上昇幅を拡大したことから、ドル/円は141.72まで上昇するなど、クロス円も堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米消費者信頼感指数が市場予想の112.0を上回る117.0と良好な結果となったことを受けて、米金利上昇とともにドルは序盤から堅調な動きとなった。しかし、その後に上昇していた米金利が低下に転じたことや、ロンドンフィキシングにかけてドル売りが観測されたことからドルは軟調な動きとなり、ドル/円は序盤の高値141.60から一時140.86まで下落した。
(4)下げ一服後は、米金利が持ち直したことからドル/円は141.20まで回復する場面もあったが、終盤には再び金利が低下に転じたこともあり、ドル/円も再び140.86まで下落した。
本日のトピックス
本日は、日本時間27日午前3時に米FOMCの結果発表が予定されており、結果発表までは様子見ムードが強まり、限定的な動きが予想されている。0.25%の利上げが確実視されてるものの、マーケットでは0.25%の利上げをほぼ織り込んでいることから、利上が発表された場合のドルの上昇は限定的と見られている。注目は、前回のドットチャートで示された年内2回の利上げ予想が予想通りに実現するのかどうかである。ただ、予想外の大幅利上げや据え置きが発表された場合には大きな動きとなる可能性も考えられる。
予想通りの結果となる場合には、声明やパウエルFRB議長の会見で追加利上げの可能性が示されるのか、利上げサイクル終了が示されるのか注目されている。明確に示すことはないと見られており、発言の受け止め方次第となるだろう。それ次第で米金利やドルの動きが出る可能性が考えられる。
7/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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72.5万件 | 76.3万件 |
前回は市場予想を大幅に上回り、3ヵ月連続の増加となり、2022年2月以来の高水準となった。中古住宅の在庫減少を背景に、新築住宅の需要が増加したと見られている。今回は、前月から減少が予想されているが、増加が続いた反動との見方もあり、引き続き堅調さが維持されると見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の基準線近辺で上値の重い動きとなっており、ここから基準線を再び上抜けて堅調な動きとなるのか、雲上限ラインを下抜けて軟調な動きとなるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線がクロスしたものの、先行するラインがやや緩やかな上昇となっており、ここから失速して両線がクロスする場合には軟調な動きを示唆する形状となることから、ここから両線の乖離幅の拡大が続くのか、乖離幅が縮小するのか注目したい。一方、より短期の動きを見る上で注目されているストキャスティクスでは、両線がデッドクロスしており、短期的に軟調な動きを示唆する形状となっている。
このことから、目先軟調な動きとなり、基準線を上回らない状態が続く場合には、その後下げが加速する可能性も考えられる。ただ、基準線を上回る動きとなるようなら、再び堅調な動きとなる可能性も考えられる。
気まぐれ投資コラム
今回は利上げがコンセンサス、注目は次回以降どうなるか
前回のFOMCでは、政策金利の据え置きが決定されたものの、ドットチャートでは年内2回の追加利上げの可能性が示された。6月の米消費者物価指数では、前年比が3.0%となり、5月の4.0%から大幅に鈍化しており、FRBの目標である2.0%に近づいている。ただ、コア指数は4.8%とやや鈍化が緩やかであることから、今回は0.25%の利上げが予想されている。
マーケットでは、すでに0.25%の利上げを90%以上織り込んでいることから、注目は利上げサイクルが7月で終了となるのか、さらに追加利上げの可能性が示唆されるのかが注目されており、それを見極めるためにパウエルFRB議長の発言の内容やトーンが注目されている。
追加の利上げの可能性が示唆されるようなら、ドルが買われる可能性も考えられるが、利上げサイクルの終了が示唆される場合には、ドルは下振れとなる可能性も考えられる。
※出所:SBILMがデータを基に作成