前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から前週末比360円超下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。下げ一服後は、日経平均株価が下げ幅を縮小して午後にはプラス圏まで回復したことや、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の141.52から142.30まで上昇した。その後は、米長期金利の上昇が続いたことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル円は142.49、まで上昇した。
米国市場では、NY連銀総裁が「金利は来年低下し始める可能性があると見ている」と発言した記事を受けて米長期金利が低下、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、米長期金利が持ち直したことや、米主要株価指数が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米株式市場では、NY連銀総裁が「インフレ率が鈍化すればFRBが来年に利下げを始める可能性がある」との見方を示したインタビュー記事が材料視され、FRBの金融引き締め長期化への懸念が後退し、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、一時前週末比431ドル高まで上昇した。その後は高値圏を維持したまま、407.51ドル高(+1.16%)で終了し、4営業日ぶりに反発となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、85.16ポイント高(+0.61%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から前週末比362円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が上昇に転じて2円安まで下げ幅を縮小したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル/円は序盤の141.52から142.04まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価がプラス圏を回復し、一時114円高まで上昇したことや、米長期金利が上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時142.30まで上昇した。さらに、米10年債利回りが4.050%から4.120%まで上昇したことも加わり、日米金利差拡大が意識されてドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は142.45まで上昇した。
(3)NY連銀総裁が「金利は来年低下し始める可能性があると見ている」と発言した記事を受けて、米長期金利が低下に転じたことからドルも下げに転じた。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.120%から4.060%まで低下するなど、米金利が軒並み低下したことから、ドル/円は一時141.80まで下落した。
(4)下げ一服後、ボウマンFRB理事が「インフレ率をFRBの目標まで低下させるには追加利上げが必要になる」との見方を示したことから、米長期金利が持ち直してドルも堅調な動きとなった。また、米主要株価指数が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、142.58まで上昇したものの、10日の7月米消費者物価指数、11日の7月米生産者物価指数の発表を控えて様子見ムードも広がっており、その後は限定的な動きが続いた。
本日のトピックス
ニューヨーク連銀総裁が「金利は来年低下し始める可能性があると見ている」と発言したインタビュー記事を受けて、欧州時間から米長期金利の低下とともにドルも軟調な動きとなった。しかし、米国時間では、ボウマンFRB理事が「インフレ率をFRBが目標とする2%に引き下げるためには追加利上げが必要になる可能性」と発言したことから、ドルは堅調な動きとなった。昨日は米国の経済指標の発表がなかったことから、当局者の発言に左右される動きとなった。
東京時間では、ボウマンFRB理事の発言を材料に、日米金利差拡大観測からドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ただ、マーケットでは、今後のFRBの金融政策を見極める上で、10日の7月米消費者物価指数、11日の7月米生産者物価指数の結果を見極めたいとの思惑が強まっていることもあり、一方向の動きが続くとは考え難いとの見方もある。
本日の海外市場では、7月のドイツの消費者物価指数、6月の米貿易収支の発表が予定されており、結果に注目したい。また、本日も複数のFRB高官の発言が予定されており、発言の内容にも注目したい。
8/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
6月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
|
-650億USD | -690億USD |
前回は市場予想と一致し、前月から赤字額が縮小した。輸入と輸出がともに前月から低下、サービスは上昇となった。今回は、前月から赤字額が小幅縮小が予想されている。 |