前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。ドル/円は、149.70台から149.80台での狭いレンジ内の動きとなり、150円台に近付いたことで政府・日銀による為替介入への警戒感から上値の重い動きとなった。その後、中国の経済指標が良好な結果となり、人民元や豪ドルが対米ドルで堅調な動きとなり、ドルは対円でも一時下振れとなったが、下値は限定的だった。
米国市場では、欧州市場の軟調な流れが一服し、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。米長期金利が上昇したことから、ドル/円は一時149.92まで上昇した。さらに、ベージュブックで価格は全般的に引き続き緩やかなペースでの上昇が継続していると指摘されたこともドルの押し上げ要因となった。
米株式市場では、中東情勢の緊張が高まっていることや、米長期金利の上昇、さらにベージュブックを受けてFRBの利上げが長期化するとの警戒感から、主要株価指数は序盤から軟調な動きが続いた。特に、金利動向に敏感なナスダックは下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きが続き、終盤に一時前日比399ドル安まで下落した。引けにかけて下げ幅を縮小し、332.57ドル安(-0.98%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、219.45ポイント安(-1.62%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、新規材料に乏しい中、日経平均株価が下落して始まり、前日比173円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が13円安まで下げ幅を縮小したことから、底固い動きも見られてた。ただ、中国の第3・四半期GDPが市場予想を上回ったことを受けて、人民元や豪ドルが米ドル対して上昇となり、ドルは対円でも軟調な動きとなり、一時149.49まで下落した。
(2)午後には、日経平均株価がプラス圏を回復したことや、米長期金利が高止まりしたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は149.60から149.70での狭いレンジ内の動きが続いた。
(3)米国市場では、低下していた米金利が上昇に転じたことから、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、序盤に発表された9月の米住宅着工件数が2ヵ月ぶりに増加したことや、建設許可件数が市場予想を上回る結果となったことも、ドルの押し上げ要因となった。その後、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.92%台まで上昇し、2007年7月以来、約16年3ヵ月ぶりの高水準を付けたことから、ドル/円も序盤の149.63から149.92まで上昇して10/3以来の高値を付けた。また、ベージュブックで経済は9月からほぼ変わらずだが、価格は全般的に引き続き緩やかなペースでの上昇が継続していると指摘されたこともドルの押し上げ要因となった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、ベージュブックで価格は全般的に引き続き緩やかなペースでの上昇が継続していると指摘されたこともあり、FRBの高金利政策が維持されるとの見方から、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.928%まで上昇し、2007年7月以来、約16年3ヵ月ぶりの高水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
前回のFOMCの議事要旨でもメンバーがあと1回の利上げを見込んでいることが明らかにされたこともあり、さらなる金利上昇や、高水準の金利が維持されるとの見方が強まっている。そのため、米長期金利も上昇しており、ドルの押し上げ要因となっている。
ただ、日本政府・日銀の介入水準とされる150円台に近づくと警戒感から上値の重い動きが続いている。前日の米国市場では、終盤に149.93まで上昇したこともあり、東京市場では序盤からドル/円は軟調な動きとなっており、引き続き底固いが上値も重い動きが続く可能性が考えられる。そして、本日予定されているパウエルFRB議長の講演での発言に注目が集まっており、金融政策に関連する発言がある場合には敏感に反応する可能性も考えられる。また、主要な米経済指標の発表や、パウエル議長以外の複数のFRB高官の発言も予定されていることから、こちらも注目されている。
10/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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388万件 | 404万件 |
前回は市場予想を下回り、1月以来の低水準となった。住宅ローン金利の高止まりや、1999年のデータ集計開始以来最少となった住宅在庫が影響した。今回は、前月からさらに減少が予想されており、引き続き中古住宅市場の減速が示されると見られている。予想通りの結果なら、2010年10月以来の低水準となる。 |