前営業日トピックス
日銀の金融政策決定会合での主な意見の発表を受けて、日銀のマイナス金利解除はまだ先という見方が広がり、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。上昇一服後は、一旦軟調な動きとなったものの、午後には再び堅調な動きとなった。ただ、欧州時間では新規材料に乏しく狭いレンジ内の動きとなった。
米国市場では、多くの市場参加者が年末年始の休暇に入り薄商いの中、米長期金利が低下したことを受けてドルは主要通貨に対して下落となり、対円では約2週間ぶりの安値となる141.55まで下落した。一方、ドル/円の下落に連れて、クロス円も軟調な動きとなった。
米株式市場では、FRBが来年前半にも利下げを開始するとの期待感から、主要株価指数は堅調な動きとなった。ただ、年末年始を控えて市場参加者も少なく、値動きは限定的だった。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比138ドル高まで上昇した。その後上げ幅を縮小したものの、111.19ドル高(+0.30%)で終了、5営業日ぶりに終値ベースの最高値を更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックも24.61ポイント高(+0.16%)と、約1年11ヵ月ぶりの高値で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日銀の金融政策決定会合の主な意見が公表され、来春の賃金交渉の動向を見てから判断しても遅くはないとの見解が示されたこと受けて、日銀の早期利上げ観測が後退し、円売りが優勢となった。ドル/円は序盤の142.31から142.85まで上昇した。その後は、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は142.43まで下落した。ただ、午後には入り再び円が売られ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、上値は限定的となり、欧州時間でも上値の重い動きとなった。
(2)米国市場では、新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。ただ、多くの市場参加者が年末年始の休暇に入り薄商いの中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.868%から3.781%まで低下したことを受けてドルは主要通貨に対して下落となり、対円では序盤の142.65から141.55まで下落し、約2週間ぶりの安値を付けた。一方、ドル/円の下落に連れて、クロス円も軟調な動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、FRBが来年前半にも利下げを決定するとの見方から米長期金利が低下となり、ドルは主要通貨に対して下落した。一方、ECBはFRBより利下げ開始時期が若干遅いとの見方から対ドルではユーロ買いが続いており、一時7/27以来の高値を更新した。
本日は、本邦企業でも年末年始の休暇に入るところも多く、さらに薄商いとなることが予想されている。また、海外時間では米新規失業保険申請件数、11月の中古住宅販売仮契約の発表が予定されているが、昨日同様に指標発表時に反応するものの、その後は引き続き金利動向に左右される展開が予想されており、金利に動きが見られない場合には限定的な動きとなるだろう。
12/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(12/23までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.0万件 | 20.5万件 |
前回は市場予想を下回ったものの、前週からは小幅増加となった。ただ、依然として低水準を維持しており、引き続き労働市場が底固いことが示された。一方、継続受給者数は前週に市場予想を下回ったものの、今年の平均である175万件を上回っており、転職が難しくなっていることが示された。 |