前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなったものの、日銀副総裁のハト派的な発言を受けて円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が一時830円超上昇したことから、ドル円・クロス円は午後に入り一段の上昇となった。さらに、欧州時間では欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米長期金利の上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が予想より強い内容だったことを受けて、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時149.48まで上昇し、昨年11/27以来の高値を更新した。その後は、米長期金利が低下したことを受けて、ドルも下落したものの、終盤にかけて米長期金利が再び上昇に転じたことから、ドル/円は値を戻した。
米株式市場では、娯楽大手の決算内容が好感されて買いが先行したものの、米利長期金利の上昇を受けて一時マイナス圏まで下落するなど上値の重い動きとなった。ただ、終盤にかけて再びプラス圏を回復した。ダウ平均は、序盤に前日比78ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて133ドル安まで下落した。下げ一服後は再び堅調な動きとなり、終盤にプラス圏を回復して48.97ドル高(+0.13%)で終了、連日の最高値更新となった。一方、ナスダックは37.07ポイント高(0.24%)で終了し、2022年1月以来2年1ヵ月ぶりの高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。ドル/円は序盤の148.10から147.91まで下落した。その後、内田日銀副総裁が「マイナス金利解除後もどんどん利上げするパスは考え難く、緩和的な金融環境を維持していく」と表明したことを受けて円売りが優勢となり、ドル/円は148.40まで上昇した。
(2)一方、午前中に前日比600円超上昇した日経平均株価が午後に上げ幅を拡大し、一時837円高まで上昇したことからリスク選好の動きが強まり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。また、欧州主要株価指数の上昇や米長期金利の上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続き、ドル/円は149.25まで上昇した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想22.0万件を下回る21.8万件と強い内容となったことを受けて、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の149.09から149.48まで上昇し、昨年11/27以来の高値を更新したが、上昇一服後はやや上値の重い動きとなった。その後、米30年債入札が好調となり米長期金利が低下したことを受けて、ドル/円は149.12まで下落したものの、終盤にかけて再び米長期金利が上昇に転じたことから、ドル/円は149.41まで値を戻した。一方、ユーロも対円で堅調な動きとなり、1/24以来の高値を更新した。
本日のトピックス
昨日は、東京時間に内田日銀副総裁が「マイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持していく」と表明したことを受けて円売りが優勢となり、ドル/円は147.90台から米国時間にかけて149.48まで上昇した。米国時間では米長期金利の上昇が続いたことや、米雇用関連の経済指標が良好な結果となったこともドルの押し上げに寄与した。
ただ、ここまで日銀の政策の方向感が見通せなかったものの、マイナス金利解除後の方針が示されたことで、やや過剰に反応したとの見方もある。目先の方針が示されたことから、3月の日銀の金融政策決定会合でデータなどの確認、4月にマイナス金利解除に動くとの見方も出ている。一方のFRBは、5月に利下げと予想されていることから、日銀はFRBより早く動くことができると見られている。
当面は、来週の米消費者物価指数の発表待ちとなると見られており、本日の海外市場では主要な経済指標の発表がないことや、週末であることから限定的な動きも予想されている。