前営業日トピックス
東京市場では、神田財務官の円安牽制発言や、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時360円超下落したこと、さらに時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、欧州時間に入ると下げも一服となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、ポンドは英中銀の利下げ観測を背景に、主要通貨に対して下落した。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、序盤は米長期金利の上昇を受けてドルは序盤か堅調な動きとなった。しかし、その後は米長期金利が低下に転じたことから、ドル/円も下落した。ただ、FRBの早期の利下げ観測が後退したとの見方から下値は限定的となり、ドルは底固い動きとなった。
米株式市場では、米経済のソフトランディングへの期待は根強く、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、FRBの利下げ開始が予想よりも後退するとの懸念もあり、ダウ平均が一時マイナス圏まで下落するなど、上値の重い動きも見られた。しかし、米長期金利が低下したことを受けて、終盤にかけて再び堅調な動きとなった。ダウ平均は、序盤に前日比147ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時78ドル安まで下落した。終盤にかけて再び堅調な動きとなり、151.52ドル高(+0.40%)で終了した。一方、ナスダックは203.55ポイント高(+1.30%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、神田財務官が「最近の為替の動きはかなり急速」「必要があれば適切に対応する」と円安を牽制したことや、日経平均株価が序盤から320円超下落したこと、時間外取引で序盤に高水準を維持していた米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の150.77から150.50まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が一段の下落となり、前日比369円安まで下落したことや、米長期金利も下げ幅を拡大し、ドル円・クロス円も軟調な動きが続いた。ドル/円は150.35まで下落したものの、FRBの早期利下げ観測が後退したこともあり、下値は限定的で底固い動きとなった。一方、1月の英国の消費者物価指数が市場予想を下回ったことから、英中銀の早期利下げを意識した売りが優勢となり、ポンド/円は発表直前の189.68から188.76まで下落した。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の動きに左右される展開となった。序盤は、米長期金利の上昇を受けてドルは序盤か堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の150.50から150.75まで上昇した。しかし、その後は米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.320%から4.243%まで低下するなど、米金利が軒並み低下に転じたことから、ドル/円も150.39まで下落した。ただ、FRBの早期の利下げ観測が後退したとの見方からドルは底固い動きとなり、終盤には150.62まで値を戻した。
本日のトピックス
東京時間では、序盤に発表された日本の第4四半期GDP速報値が前期に続きマイナス成長となったことから、金融緩和継続との見方も広がり、日米ともに金融政策が前に進まず、年央まで金融政策の進展が見られない可能性もとの見方も出ている。
本日の米国市場では、新規失業保険申請件数、1月の小売売上高、2月のNY連銀製造業景気指数など主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。先に発表された1月の米消費者物価指数の結果を受けて、FRBの早期の利下げ観測が後退したとの見方が広がり、金利先物市場では5月に0.25%の利下げを月初には100%織り込まれていたものの、現状では40%程度まで後退している。本日の経済指標の結果が冴えない結果となる場合には、利下げ観測はさらに後退する可能性もあり、良好な結果なら早期の利下げ観測が若干回復する可能性もあり、結果が注目されている。
2/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(2/10までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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22.0万件 | 21.8万件 |
前回は市場予想を下回り、昨年11/10までの週以来の高水準となった前週から低下となり、労働市場の堅調さが維持された。今回は、前週から増加が予想されているが、小幅増加に留まり、依然として堅調さが示されると見られている。 | ||||
22:30 | 米国 |
2月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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-11.8 | -43.7 |
前回では市場予想を大幅に下回り、2020年5月以来の低水準となった。新規受注と出荷が大幅に低下したことが影響し、製造業の低迷が続いていることが示された。今回は、前回の反動からマイナス幅の縮小が予想されているが、依然としてマイナスが続くと見られている。 |