前営業日トピックス
東京市場では、日銀の早期の金融引き締め観測が後退したことを受けて日経平均株価が上昇したものの、米長期金利の低下などもあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。午後に入り、底固い動きが見られたものの、ドル/円は一段の下げとなった。欧州時間では、米長期金利が低下したことから、ドルは上値の重い動きが続き、ドル/円は一時150円台を割り込む場面もあった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が強弱まちまちの結果となったことを受けてドルは乱高下となった。その後、米長期金利が上昇に転じたことからドルも堅調な動きとなり、一時150円台割れとなっていたドル/円は再び150円台を回復する動きとなった。ただ、終盤には米長期金利の上昇が一服したことで、ドルも上値の重い動きとなった。
米株式市場では、1月の米小売売上高の結果が市場予想を下回ったことで、FRBの早期利下げ観測が意識され、主要株価指数は堅調な動きとなった。さらに、米経済のソフトランディングへの期待も支援材料となった。ただ、ナスダックは、序盤からやや軟調な動きとなったが、中盤以降は堅調な動きとなった。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比357ドル高まで上昇した。終盤まで高値圏を維持したまま、348.85ドル高(+0.91%)で終了。一方、ナスダックは、序盤は軟調な動きとなり、一時79ポイント安まで下落したものの、その後はプラス圏を回復して47.03ポイント高(+0.30%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日本の第4四半期GDPが予想外のマイナス成長となったことを受けて、日銀の早期の金融引き締め観測が後退して円売りが優勢となった。ドル/円は、序盤の150.43から150.57まで上昇したものの、上昇は一時的となった。その後は、時間外取引で米長期金利が低下したこともあり、ドル/円は150.15まで下落した。一方、オーストラリアの雇用統計が冴えない結果となったことを受けて、豪ドルは主要通貨に対して下落となり、豪ドル/円は序盤の97.85から97.32まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時前日比485円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ポジション調整の動きに押され、ドル/円は150.08まで下落した。欧州時間でも引き続き上値の重い動きが続き、ドル/円は一時150円台を割り込む場面もあった。
(3)米国市場では、序盤に発表された1月の米小売売上高が市場予想の-0.2%を上回る-0.8%と予想以上の下振れとなったことを受けてドル売りが優勢となった。ただ、同時に発表された新規失業保険申請件数が市場予想の22.0万件を下回る21.2万件となり、NY連銀製造業景気指数が市場予想の-12.5に対して-2.4と共に強い内容となったことで、ドルの下値は限定的となった。その後、米長期金利が上昇に転じたことからドルも堅調な動きとなり、ドル/円は指標発表を受けて付けた安値の149.54から150.25まで上昇する動きとなった。終盤には、米長期金利の上昇が一服するとドルも上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、米経済指標結果がまちまちの結果となったことで、ドルはやや乱高下となった。その中で小売売上高が予想以上の下振れとなったことには敏感に反応した。本日の米国市場では、1月の米生産者物価指数、2月のミシガン大消費者信頼感指数の発表が予定されており、インフレを見る上で注目(ミシガン大消費者信頼感指数では期待インフレ率)されている。そして、結果を受けて米金利も反応しやすく、昨日以上の動きとなる可能性も考えられることから、結果に注目したい。
2/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
1月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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145.8万件 | 146.0万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、4ヵ月ぶりに減少となった。前月に急増した反動で一戸建て住宅が2022年7月以来の大幅な落ち込みとなったことが影響した。今回は、前月からさらに減少が予想されているが、着工件数の先行指標の許可件数が前月増加していることから、前月から増加を見込む向きも。 | ||||
0:00 | 米国 |
2月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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80.0 | 79.0 |
前回の五月の確報では、速報から上方修正され、2021年7月以来の高水準となり、消費者マインドの改善が続いていることが示された。今回の速報は、前月からさらに上昇が見決まれており、現在の景況感が3ヵ月連続の上昇が予想されていることが押し上げ要因となると見られている。 |