前営業日トピックス
東京市場では、パウエルFRB議長の議会証言を控えて様子見ムードが強まっており、ドル円・クロス円は序盤から限定的な動きと動きとなった。その後、米長期金利が低下したものの、300円超下落した日経平均株価が一時プラス圏を回復したことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。ただ、欧州時間の序盤には急速な下げとなる場面もあったが、その後に値を戻すなど、下げは一時的となった。
米国市場では、序盤に発表された2月の米ADP雇用統計が市場予想を下回ったことから、ドル売りが先行した。その後、パウエルFRB議長の議会証言で「年内に利下げが適切になる可能性が高い」との見解も示されたことで、米長期金利の低下とともにドルは一段の下落となった。ただ、引けにかけてはやや値を戻した。
米株式市場では、パウエルFRB議長が議会証言で年内の利下げが適切になる可能性との見解を示したことで、FRBの早期利下げ開始期待から主要株価指数は堅調な動きとなった。ただ、証言内容は想定の範囲内だったとの見方もあり、上値は限定的だった。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、前日比272ドル高まで上昇した。その後は、上げ幅を縮小する動きとなり、一時14ドル安まで下落したものの、終盤には持ち直して75.86ドル高(+0.20%)で終了。一方、ナスダックは91.95ポイント高(+0.58%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、新規材料乏しい上、米国時間にパウエルFRB議長の議会証言が控えていることから、様子見ムードが強く積極的な売買が手控えられ、序盤から狭いレンジ内の動きとなった。ドル/円は、上下30銭未満の狭いレンジ内の動きが続いた。
(2)午後に入ると、時間外取引で米長期金利が低下したものの、序盤に前日比328円安まで下落していた日経平均株価がプラス圏を回復する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州時間では、軟調な動きとなったものの、米長期金利が上昇したことから、その後は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された2月の米ADP雇用統計が市場予想の15.0万人を下回る14.0万人となったことから、ドル売りが先行した。その後、パウエルFRB議長の議会証言の原稿で「利下げにはインフレに関するさらなる確信が必要」との見解が示されたものの、「年内に利下げが適切になる可能性が高い」との見解も示されたことで、米長期金利の低下が続き、ドルは一段の下落となった。ドル/円は、序盤の149.70から149.09まで下落したものの、引けにかけては149.47まで値を戻した。
本日のトピックス
昨日のパウエルFRB議長の議会証言では、「利下げにはインフレに関するさらなる確信が必要」との見解を示したものの、「年内に利下げが適切になる可能性が高い」との見解も示した。内容は事前に予想されたものとほぼ一致したとの見方もあるが、その他では米経済に関してやや慎重な見方を示していた。
議会証言で年内の利下げに関する発言をしていることから、年内の利下げは確実であると見られるが、早期(3月・5月)の利下げの可能性は低く、経済状況から早ければ年央だが、現状では、秋にずれ込む可能性も考えられる。今後のポイントは利下げの時期であるが、それを見極めるためには経済データ次第となることから、今後の経済指標の結果が注目されるだろう。
本日の海外市場では、ECB理事会が予定されており、会合後のラガルドECB総裁の会見での発言が注目されている。ECBの金融政策でも年央以降の利下げが予想されており、利下げ時期に関するヒントがあるのか注目したい。
また、米国時間では、チャレンジャー人員削減数、非農業部門労働生産性、新規失業保険申請件数など、雇用関連の経済指標の発表が予定されており、結果が注目されている。指標結果自体の反応は限定的と見られているが、金利に動きが出る場合には影響が出る可能性もあり、指標結果と金利動向にも注目したい。
3/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
1月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
|
-635億USD | -622億USD |
前回は市場予想を下回り、赤字額は小幅に拡大した。ただ、年間ベースでは、2009年以来大幅な赤字縮小となった。今回は、赤字額の拡大が予想されている。 |