前営業日トピックス
東京市場では、序盤から円買い・ドル売りが先行したが、日本の第4四半期GDPがリセッションを脱したことから、円売りとなる場面もあった。しかし、日経平均株価が大幅下落となったこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。その後は、米長期金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。ただ、欧州時間では、欧州主要株価指数の序盤から下落したことからリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。上昇一服後は下落する場面もあったが、米長期金利の上昇が続いたこともあり、その後は再び上昇した。ただ、米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードも強く、上値は限定的だった。
米株式市場では、2月の米消費者物価指数の発表を翌日に控えて様子見ムードが強く、やや方向感の乏しい動きとなった。ただ、半導体大手株が軟調な動きとなると、それにつれて半導体関連やハイテク関連株が売られたこともあり、ナスダックはマイナス圏での動きが続いた。ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時前週末比239ドル安まで下落した。ただ、その後は上昇に転じてプラス圏まで回復し、46.97ドル高(+0.12%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは65.84ポイント安(-0.41%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末にバイデン米大統領が選挙演説でFRBが金利を引き下げるとの見方を示したことで、利下げ圧力につながるとの見方もあり、ドル売りが先行した。一方、日本の第4四半期GDP改定値が、速報値のマイナスからプラスに修正されたことでリセッションが回避されたが、市場予想を下回ったことで、円売りとなる場面もあった。しかし、日銀が3月にもマイナス金利を解除するとの警戒感から円買いが優勢となった。ドル/円は、時間外取引で米長期金利が低下したことや、日経平均株価が序盤から下落したことも加わり、序盤の147.13から146.53まで下落した。
(2)下げ一服後は、低下していた米長期金利が持ち直したこともあり、ドル買い・円売りが優勢となった。ただ、日経平均株価が午後に入り下げ幅を拡大し、前週末比1157円安まで下落したこともあり、ドル円・クロス円の上値は限定的だった。また、欧州市場では、欧州主要株価指数が軒並み下落したことから、リスク回避の円買いが優勢となり、ドル/円は146.47まで下落して2/2以来の安値を付けた。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の146.62から147.14まで上昇したものの、上昇一服後は146.75まで下落する場面もあったが、米長期金利の上昇が続いたこともあり、その後は再び147.06まで上昇した。ただ、翌日に米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードも強く、上値は限定的だった。
本日のトピックス
本日の米国市場では、2月の米消費者物価指数の発表が予定されており、物価の低下が進んでいるのかどうかが注目されている。発表までは、様子見ムードが強まることが予想され、限定的な動きも予想されている。最近では、FRBの早期の利下げ観測が後退しており、現状では利下げは7月開始との見方が出ているが、それが早まるのか後退するのか、結果に注目したい。また、結果を受けて米金利が敏感に反応する可能性もあり、為替市場への影響も考えられる。
3/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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3.1% | 3.1% |
前回は市場予想を上回ったものの、前月から低下となり、2ヵ月ぶりの低下となった。一方、コア指数は前月比で8ヵ月ぶりの高水準となり、前年比でも市場予想を上回り、インフレの鈍化が緩やかであることが示された。今回は、前年比では前月から変わらすの伸び、コア指数では前月から低下が予想されており、マーケットが結果をどう受け止めるのか注目したい。 |