9連騰続けた日経平均。不思議な上昇相場の後に待つものとは
<今週のココがPOINT!>9連騰続けた日経平均。不思議な上昇相場の後に待つものとは
不思議な上昇相場を迎えた日経平均。その後の戦略は・・・ |
先週の日経平均株価は8月22日(金)を除き、8月11日(月)から8月21日(木)まで9連騰し、8月25日(月)も上昇する結果となりました。現在の日経225先物の水準は、先週のサキモノのココがPOINT!で想定した通り、レンジ相場の上限(上値抵抗線:15,618円)まで来ていると言えるのではないかと思います。
今回は直近の相場を振り返り、今週の相場動向、投資戦略について解説致します。
<今週のココがPOINT!>
・不思議な上昇相場が続く?
・今週のスケジュールをチェック
・高値圏での保ち合いを予想、下落するなら下値メドは・・・
図1:日経平均株価(日足6ヶ月間)
- ※当社WEBサイト(日経平均、日足、6ヶ月チャート)
不思議な上昇相場が続く? |
図2:日経平均株価(日足1ヶ月)
- ※当社WEBサイト(日経平均、日足、1ヶ月チャート)
ここ1か月間の日経平均株価の値動きを振り返ると、7月31日(木)に高値である15,759.66円をつけたあと、8月8日(金)には、急落し安値の14,753.84円と高値から約千円下落し、安値をつけました。急落後は上値抵抗線・下値支持線に挟まれた小幅のレンジ相場を想定していたのですが、週末の8月22日(金)には小幅反落したものの、8月21日(木)まで9連騰と堅調相場が続きました。
この上昇相場の背景としては、
(1)ウクライナ情勢の落ち着き → 地政学的リスクの後退
(2)好調な米景気指標 → 早期の利上げの懸念より、企業業績へのプラス面
(3)ドル円相場のドル高・円安傾向
が要因ではないかと思います。
直近の日経平均株価の高値は、先週のサキモノのココがPOINT!で指摘した、上値抵抗線の15,618円近辺となっています。また、先週の18日(月)以降の日経平均株価の1日の高値と安値の値幅推移をみると、平均では70円程度と非常に狭くなっています。前日終値と当日始値の差である、オーバーナイトした値幅も19日(火)以外は100円未満で平均では52円と、日中・オーバーナイトともに非常に狭い値幅で推移しています。東証1部の売買代金も連日の2兆円割れと閑散相場で、正に「閑散に売りなし」の相場展開となり、過熱感が無い「不思議な上昇相場」が続いていたといえるでしょう。
今週の重要スケジュールをチェック! |
表1:スケジュール
日付 | 時間(日本時間) | 国 | 内容 |
---|---|---|---|
8月28日(木) | 8:50 | 日本 | 対外及び対内証券売買契約等の状況(7月) |
21:30 | 米国 | 国内総生産GDP(4〜6月期 改定) | |
21:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数 | |
8月29日(金) | 8:30 | 日本 | 消費者物価指数CPI(7月) |
8:30 | 日本 | 完全失業率・有効求人倍率(7月) | |
8:50 | 日本 | 鉱工業生産指数(7月 速報) | |
21:30 | 米国 | 個人消費支出・個人所得(7月) |
- ※各種公表資料を用いてSBI証券が作成。
今週後半のスケジュールを確認すると、特に相場に大きな影響を与えそうな指標発表などなく、注目するならば29日(金)の8:50に予定されている日本の鉱工業生産指数(7月:前月比+1.2%)と、同日の21:30(日本時間)に予定されている米国の個人消費支出・個人所得(7月)の経済指標ではないかと思います。
突発的な事項としては、先週は落ち着きを見せたウクライナ情勢に関するニュースが鍵となるかもしれません。
高値圏での保ち合いを予想、下落するなら下値のメドは・・・ |
日経平均株価は、先週の不思議な上昇相場により想定していた上値抵抗線に到達しています。今週は104円台に急進したドル円相場の反落や、上昇した株価の利益確定の売りによって、上値が重い展開となり高値圏の保ち合いが続くか、若干の下落相場になるのではないかと想定しています。
その場合、
上値抵抗線 7月31日(木)高値:15,759.66円(直近の高値)
下値支持線(1) 8月20日(水)終値:15,454.45円(8月20日窓埋め)
下値支持線(2) 8月18日(月)終値:15,322.60円(8月18日窓埋め)
と下落した場合、下値メドとして15,300円〜15,400円台が意識されるのではないでしょうか。
この場合、日経平均先物の投資戦略は先週に引き続き下値支持線に近づいた場面で買い、上値抵抗線に近づいた場面で売る逆張り戦略が有効な戦略になるのではないかと思います。
しかしながら、想定したレンジを抜けた場合は、大きなトレンドとなる可能性を秘めているので、リスクを考えてすぐに損切りすることも必要となってくるかもしれませんので、その点は注意が必要です。
オプションの戦略は、
15,250円プット 売建
15,750円コール 売建
想定レンジの上下のオプションを売って、レンジ内の値動きでの時間的価値の減少に掛けるのが、基本戦略になりそうです。
実際売買をする際、今回ご説明したレンジを抜けていた場合には上も下もトレンドについていくのが、基本戦略になりますので、状況に合わせて使い分けてください。
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