「今度の2万円は違う」といわれる理由
一時15年12月以来の20,000円台を回復 |
225先物は週間ベース(2日比)で400円上昇した。フランス大統領選の決選投票で親EU派のマクロン候補が大差で極右のルペン候補を破ったことから、週明けから買い戻し優勢の展開となり年初来高値を更新。為替市場で、円安ドル高が進行したことや、堅調な企業決算なども追い風となり、11日には15年12月以来となる日中取引時間での20,000円回復がみられた。週末は円安ドル高一服などが影響し反落となったが、高値圏での推移が続いた。
なお、5月2日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆4,879.38億円の買い越し(前週は1兆3,818.94億円の買い越し)と増加した。一方、株数ベースでも、9,574万株の買い越しと4月28日時点(同9,037万株の買い越し)との比較では増加している。指数上昇に伴い裁定に絡んだ商いも多少入ったとの観測。
225先物の手口では、みずほ証券、SMBC日興と国内勢が売り方上位に並んだ一方、バークレイズ、UBSが買いに回った。TOPIX先物では、BNPパリバ、ソジェンが8,000枚超売り越した一方、225先物同様、バークレイズが買い筆頭となった。週の初めは積極的な買いが観測されたが、9日以降は上値の重い展開に。海外勢による買いは一服との見方も強まっている。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
世界的にボラティリティは低下 |
日経ボラティリティ・インデックス(VI)は、14.5p台で推移している。米VIX指数が10を割り込むなど歴史的な水準まで低下しているなか、日経VIも今年の最低水準で推移。世界的にボラティリティは低下していることから楽観論が広がっているとの見方はある。一方、先高感も先安感も感じられない膠着相場入りとの声も聞かれる。なお、5月限オプションSQ値は、算出に伴う売買が買いに傾いたことから19,991.27円と「上に残す幻のSQ値」となった。
NT倍率(先物)は12.59倍まで拡大する場面がみられた。225先物、TOPIX先物ではともにバークレイズが買い筆頭となるなか、現物市場では、決算を発表したソフトバンクGが買われた一方、トヨタ自が売られる展開に。ソフトバンクGは日経平均への寄与度が大きい一方、トヨタ自はTOPIXへの寄与度が大きいことから、NT倍率(先物)は拡大。12.59倍まで広がる場面がみられた。
「今度の2万円は違う」といわれる理由 |
今週は決算発表も一巡するほか、フランス大統領選挙などのイベントも通過したことでやや材料難の展開となりそうだ。一部市場関係者は「8日の上昇がある意味やりすぎで上値が重くなっている」と指摘。11日に2万円に一度タッチしたが、買い上げるような動きは見られなかった。材料難で買いにくい地合いを考慮すると、今週も2万円の大台手前でのもみ合い相場となろう。
むしろ、25日移動平均線との乖離率などが意識されてやや調整が入る可能性も。トランプ政権に対する不透明感が高まっていることなどから、米国株が強含む展開も難しいか。
今週は一旦利食いも出るが、足場固めの一週間を想定。なかでもメインプレーヤーの外国人投資家は4月第1週から先週まで5週連続で現物を9,137億円買い越し、先物では直近2週間で7,741億円買い越したので、一息ついてくるか。
ただ、「今度の2万円は違う」と各紙で記事が掲載されているように過去2万円台を付けた日経平均の高値局面と今回では為替水準が違う。前回日経平均が2万円にタッチした2015年12月では米ドル円は122円台だった。今回は113円で2万円近辺に到達している。金融政策のサプライズの影響を受けておらず、企業業績の円高抵抗力拡大の結果との指摘もあり、ドル円がさらに円安に振れた場合、2万円を大きく超えてくる公算が大きい。
<参考データ>
2015年12月1日の終値:2万12円の時の為替は122.8円
(日経平均ベース)PERが15.7倍、PBRが1.34倍、配当利回りは1.47%
2015年6月24日の終値:2万868円の時の為替が123.9円
(日経平均ベース)PERが16.5倍、PBRは1.42倍、配当利回りは1.38%
今回、5月8日時点の終値:1万9,895円の時の為替は113円(企業の予想は平均108円)、
(日経平均ベース)PERは15.49倍、PBRが1.29倍、利回りは1.67%。
今週は19,600円から20,000円の狭いレンジを想定する。
経済スケジュール(5月15日〜5月19日)
- 提供:フィスコ社
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