ダウ工業株30種平均の入れ替えが発表された。今回のような大規模な入れ替えは約10年ぶり。
サンプルは少ないが、採用銘柄、除外銘柄ともに発表後の株価動向にはある程度の傾向を見いだせそうだ。
9月10日、ダウ工業株30種平均の入れ替えが発表された(実施は9月20日の引け後)。アルコア、バンク・オブ・アメリカ、ヒューレット・パッカードを外し、ゴールドマン・サックス、ビザ、ナイキが新たに採用されることになった。ほぼ毎年、銘柄の入れ替えが話題となる日経平均株価とは異なりダウ工業株30種の入れ替えは数年に一度不定期に行われるが、今回のように3銘柄を入れ替えるとなると、なんと約10年ぶりだそうだ。
こう聞くと、毎年構成銘柄の変更が話題になる日経平均と比べてあまり構成銘柄に変化が無いように感じられるかもしれないが、構成銘柄が少ないことや、その時代の産業構成を反映する銘柄を随時採用してきたこともあり、算出が始まって以来、現在まで構成銘柄であり続けている企業はゼネラル・エレクトリック一社のみであるという。これも驚きである。実際に調べてみると、99年11月の インテル、マイクロソフトの採用、04年4月のファイザー、ベライゾンの採用、08年2月のシェブロンの採用など、時代を反映した銘柄選びが行われていると強く感じる。
さて、今回はダウ工業株30種平均への採用/除外が発表された銘柄が、過去どのような株価パフォーマンスを示したかを調べてみた。
銘柄入れ替えの発表時の株価を100とし、市場の影響を除外するためS&P500との相対パフォーマンスを計測したのが下の図である。過去20年間におけるダウ工業株30種平均への採用銘柄をまとめたのが左図、除外銘柄をまとめたのが右図となる。
入れ替え発表後15営業日の相対パフォーマンスを示したに過ぎないが、想像していたよりもはっきりとした違いが出たようだ。採用が発表された銘柄は、その後好パフォーマンスを示すケースが多かった。その一方で、除外された銘柄の多くは発表後数日間株価が低迷するが、うち半数の銘柄は、発表前の株価を回復しているのが興味深かった。
サンプル数が少ないこともありこれが今後も当てはまると断言することは難しいが、いずれにしても、これらの動きはダウ工業株30種の注目度の高さを示していると言えそうだ。
<今回の新規採用銘柄>
ティッカー |
銘柄(英語) |
事業内容 |
市場 |
---|---|---|---|
GS |
大手証券金融サービス会社 |
NYSE |
|
V |
クレジットカード最大手 |
NYSE |
|
NKE |
スポーツ用品メーカー |
NYSE |
<今回の除外銘柄>
ティッカー |
銘柄(英語) |
事業内容 |
市場 |
---|---|---|---|
AA |
アルミ採掘、精練、加工等の最大手 |
NYSE |
|
BAC |
大手銀行、金融持株会社 |
NYSE |
|
HPQ |
Hewlett-Packard |
NYSE |
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。