今週の株式見通し(2024/4/22~4/26)
今週(2024/4/22-4/26)の日経平均株価の予想レンジは36,000円-38,000円。東京株式市場は波乱含みか。来週初は祝日が入るため、三連休前の4/26に日銀金融政策決定会合の結果を消化するスケジュールとなる。日銀には不安定なマーケットを落ち着かせる役割を期待したいところだが、足元では円安が日本経済に及ぼす悪影響も懸念されており、日銀からはどちらかというと円安をけん制するメッセージが出てくる可能性がある。
米国では決算発表が本格化し、国内でも決算発表がスタートする。企業決算が反転の材料となる展開にも期待したいが、米国の長期金利は上昇傾向にあり、全体の地合いは悪化している。そのため、失望決算がリスク回避の流れに拍車をかける展開も想定される。
中東の地政学リスクも警戒材料である。日経平均株価は先週、地政学リスクをある程度織り込んで大きく下げており、いつ反発が生じても不思議ではない。ただ、現状では大幅高、大幅安といった極端な動きとなりやすい上に、日銀会合後の植田総裁会見を確認する前に三連休に突入する。4/26の後場はボラティリティが大きくなる可能性が高く、落ち着かない相場展開が続くことが予想される。
日経平均株価(図表1)は3/22高値(41,087円)を起点に値幅調整が続く。50日移動平均線(39,129円 4/21)や75日移動平均線(37,889円 同)を下回り、一時は37,000円を割り込む展開となっている。
一方、短期的には売られ過ぎ感が強くなっている。4/19には、1月中旬につけた高値水準や、100日移動平均線(36,709円 同)、一目均衡表の雲下限付近などが集中する節目付近まで下げた。年初来高値を起点とした短期波動は下向きのトレンドフォローが基本となるが、今週は自律反発の可能性は十分ある、ただ、自律反発の際でも38,000円や3月中旬に取引時間中に下げ渋った38,500円処は強い上値抵抗水準となりそうだ。
上値メドは、75日移動平均線、心理的節目の38,500円、4/5安値(38,774円)、25日移動平均線(39,544円 同)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の36,000円、心理的節目の35,000円、200日移動平均線(34,520円 同)などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2023/5/1-2024/4/19)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントは、3月企業サービス価格指数(4/24)、日銀金融政策決定会合(~4/26)、3月百貨店売上高(4/25)、植田日銀総裁会見、日銀が経済・物価情勢の展望を公表、4月東京都区部消費者物価指数(4/26)がある。
企業決算の発表では、オービーシステ(4/22)、ニデック、シマノ、オービック、キヤノンMJ、OBC、コメリ、キヤノン電(4/23)、中外薬、キヤノン、ファナック、日立建、きんでん、サイバエージ、航空電、フューチャー、信越ポリ、メタウォーター、ジャフコG、日本エスコン、シーユーシー、不二家(4/24)、キーエンス、信越化、第一三共、ディスコ、富士通、ルネサス、アステラス薬、NRI、大和証G、富士電機、東ガス、ヒューリック、MonotaRO、野村不HD、新電工、小糸製、MARUWA、邦ガス、ゼオン、アマノ、日野自、東海理化、マネックスG、松井証、富通ゼネ、アンリツ、菱鉛筆、AREHD(4/25)、日立、デンソー、OLC、村田製、三菱電、豊田織機、アドバンテ、コマツ、豊通商、NEC、野村HD、TDK、京セラ、日東電、キッコーマン、アイシン、中部電、ANA、エムスリー、マキタ、エプソン、京成、積水化、ソシオネクスト、SCSK、山崎パン、TOTO(4/26)が予定している。
海外の経済指標の発表やイベントは、米3月新築住宅販売件数、米2年国債入札(4/23)、独4月Ifo景況感指数、米3月耐久財受注、米5年国債入札(4/24)、米1-3月期GDP、米3月NAR仮契約住宅販売指数、米7年国債入札(4/25)、米3月個人所得、米3月個人支出(4/26)などがある。
米国の企業決算の発表では、ベライゾン・コミュニケーションズ、トゥルイスト・ファイナンシャル(4/22)、テスラ、テキサス・インストゥルメンツ、ゼネラル・エレクトリック(GE)、ユナイテッド・ハーセル・サービス(UPS)、ゼネラル・モーターズ(GM)、スポティファイ・テクノロジー、クエスト・ダイアグノスティクス、エム・エス・シー・アイ(MSCI)、フィリップモリスインターナショナル、ペンテア、レイセオン・テクノロジーズ、シャーウィン・ウィリアムズ、ハリバートン、インベスコ、キンバリー・クラーク、ロッキード・マーチン、ネクステラエナジー、ペプシコ、ダナハー(4/23)、メタ・プラットフォームズ、アイビーエム、ボーイング、フォード・モーター、バイオジェン、ヒルトン・ワールドワイド、オーティス・ワールドワイド、シンクロニー・ファイナンシャル、TEコネクティビティ、サーモフィッシャー、ヒューマナ、ハズブロ、ボストンサイエンティフィック、CMEグループ、AT&T、ゼネラル・ダイナミックス、ノーフォーク・サザン、インターパブリック、マスコ・コーポレーション(4/24)、アルファベット、マイクロソフト、インテル、アストラゼネカ、キャタピラー、サウスウェスト航空、アメリカン・エアライン・グループ、ハネウェル・インターナショナル、キャリア・グローバル、CMSエナジー、ドーバー、ダウ・インク、DTEエナジー、ヘス、キューリグ・ドクター・ペッパー、メルク、ラボラトリーコープ、アルトリア・グループ、ニューモント、ノースロップ・グラマン、S&Pグローバル、テクストロン、ブリストルマイヤーズ、W・W・グレインジャー、プール、パシフィックガス&エレクトリック、エクセル・エナジー、インターナショナル・ペーパー、コムキャスト、トラクターサプライ(4/25)、シェブロン、エクソン・モービル、チャーター・コミュニケーションズ、ローパー・インダストリーズ、Tロウ・プライス・グループ、センティーン、フィリプス66、アッヴィ、HCAホールディングス、エーオン(4/26)などが予定している。
今週の注目銘柄!( 4/22~4/26 )
銘柄 コード |
銘柄名 | 目標株価 (円) |
ロスカット株価 (円) |
注目ポイント | |||||||||
2670 | エービーシー・マート | 3,500 | 2,800 | 靴小売りの最大手。4/10に発表した本決算では、2024年2月期の営業利益が前の期比32%増の557億円と大幅増益を達成した。国内・海外ともに利益が伸びており、従来計画の507億円を大きく超過している。2025年2月期の見通しは同5%増の587億円。期初のガイダンスが保守的と受け止められるリスクがあったが、発表翌日の株価は素直に買いで反応した。その後、4/15には3,136円まで上昇して上場来高値を更新している。全体市場の軟化を受けて利益確定売りに押されているが、上向きの25日移動平均線が下値で意識されている。右肩上がりのトレンドは崩れておらず、買いの好機と判断する。ターゲットは3,500円、ロスカットは2,800円 | |||||||||
4887 | サワイグループホールディングス | 7,500 | 5,200 | 後発薬の大手。医薬品業界全体的に薬価改定の影響はあるものの、国がコスト削減のため後発薬を促しているのはプラス。情勢悪化の中でディフェンシブ性を発揮することに期待する。2021年のテクニカル上場後はさえない動きだったが、2023年8月以降は上昇トレンドに転換。今年3月に6,498円の上場来高値をつけた。そこから調整したものの、75日移動平均線付近で下げ止まった後は持ち直してきている。テクニカル面ではRSIが再び50%以上に上昇してきたほか、MACDも好転。売り一巡から、堅調な推移が続くと予想する。ターゲットは7,500円、ロスカットは5,200円 | |||||||||
5381 | Mipox | 850 | 480 | 研磨剤大手。前期は半導体需要の低迷や原材料高の影響を受けたが、足元で市況は改善傾向。5月半ばに今期ガイダンスが発表される予定だが、株価へのインパクトが大きい黒字転換、復配の可能性がある。コロナ禍の2021年10月につけた高値1,353円に対して半値以下の水準であり、出遅れ半導体関連の一角として注目したい。昨年12月に402円の安値をつけ、そこから上昇基調に転じた。上値抵抗線となりやすい200日移動平均線を上抜け、75日移動平均線も上向いてきたことからトレンド転換の可能性が高い。3月以降は荒く上下しながら不安定な動きであるが、足元の下げは押し目買いの好機とみられる。ターゲットは850円、ロスカットは480円 | |||||||||
5844 | 京都フィナンシャルグループ | 3,200 | 2,410 | 4月16日の日本経済新聞では新NISA開始を受け、地方銀行で現役世代の口座開設が増えていることを取りあげられた。記事では同社傘下の京都銀行で20~50代の新規口座開設が増えていることにも触れている。日銀の金融政策転換で住宅ローンへの関心も高まる中、地方銀行が現役世代と接点を持つ機会は増加していくことが予想される。米国では10年債利回りが上昇基調にあるほか、ゴールドマン・サックスが決算で買われており、目先は金融株の相対的な買い安心感が強い。株価は3/8に2,931.5円まで上昇した後は小休止しているが、直近では4/11に2,621円まで下げたところで実体の長い陽線を形成。75日移動平均線を維持しながら底堅く推移しており、相場全体にダメ押しがある場面でも相対的に優位な存在である。ターゲットは3,200円、ロスカットは2,410円 | |||||||||
7516 | コーナン商事 | 5,100 | 4,160 | ホームセンター大手。4/10に本決算を発表。2025年2月期の増収増益計画や自己株取得の発表が好感され、決算を受けた4/11の株価は大きく上昇した。 2月決算の小売企業は、着地が良好でも新しい期の見通しをかなり保守的に見積もっているところが多い。その中で同社は営業利益ベースで2024年2月期の着地が前の期比9.4%増、2025年2月期が同7.5%増の計画と、それほど減速感のない見通しを出してきている。株価は決算発表前に4,200~4,300円レベルでしばらくもみ合った後、決算を確認して4/11に4,690円まで上昇。2021年7月につけた4,680円を上回り、上場来高値を更新した。もみ合いを上に放れて過去の高値も超えてきたことで、上昇加速の展開を予想する。ターゲットは5,100円、ロスカットは4,160円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・4/19現在、プライム・スタンダード市場に上場、時価総額が70億円以上、PBRが2.5倍未満、信用倍率が15.0倍未満(4/12現在)、株価が13週・26週移動平均線を上回っている中から、業績面や成長性、話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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