企業評価レポートの手引き 業績推移・成長率
企業評価レポートサンプル
業績推移(億円、円、予想は会社予想) |
||||
---|---|---|---|---|
決算期 |
連06/3 |
連07/3予 |
06/3 |
07/3予 |
売上高 |
6,256 |
8,500 |
4,826 |
6,900 |
経常利益 |
997 |
1,560 |
702 |
1,080 |
当期利益 |
628 |
980 |
434 |
670 |
一株利益 |
110 |
172 |
76.0 |
117 |
配当 |
連結BPS 783円 |
14.0 |
22.0 |
成長率(%、倍) |
||||
---|---|---|---|---|
決算期 |
連06/3 |
連07/3予 |
06/3 |
07/3予 |
経常利益 |
83.0 |
56.4 |
111.3 |
53.9 |
PER |
19.2 |
12.3 |
27.8 |
18.0 |
解説
業績推移
前期、今期の業績推移を掲載しています。前期の業績は既に株価に織り込まれているので、今期の予想が株価には影響が大きいといえます。
『売上高』は、企業活動を図る上での最も基本的な数字です。利益の源泉でもあり、年々増加していることが望ましいことはいうまでもありません。「減収増益」などのように、売上高が減少しているのに利益を増やしているケースもありますが、リストラや資産売却など一時的な要因によるケースが多く、注意する必要があります。
『経常利益』は、企業の経常的な活動に基づく収益を表しています。本業で稼いだ利益である営業利益(売上高から売上原価・販売管理費を差し引いたもの)から、金融費用(受取利息や配当金を加え、支払利息を除く)を加えて算出します。日本では増益、減益と言うばあい通常、経常利益のことをいいますが、米国では経常利益という概念はありません。
『当期利益』は、各決算期間の税引後の利益を示しています。経常利益に特別損益を加え、法人税・住民税等を差し引いたものです。
『一株利益』は、1株当たりの当期利益を示します。
算式は、一株利益 = 当期利益 ÷ 発行済株式数です。
『配当』は、期末時点の未処分利益の中から、株主に配分される利潤のことです。ここでは一株あたりの配当額を示しています。
『連結BPS』は、連結ベースの純資産を発行済み株数で割って求められます。純資産は会計上の会社の総資産から総負債を差し引いた金額であり、『1株あたり純資産』は次の算式で求めたものです。
算式は、一株あたり純資産(BPS) = 純資産額 ÷ 発行済株数です。
成長率
『経常利益』は、単体と連結の経常利益が対前期比どれだけ伸びたかを表しています。 『PER(株価収益率)』は、株価を1株あたり利益で割って求められます。企業の利益に対して株価がどの程度の水準にあるかを示す指標です。この欄のPERは、単体・連結ともレポート作成時の株価を一株利益で割ったものです。
着眼点
これらの指標の中で、特に注意すべきものは『一株利益』の伸びと『PER』の水準です。株価は将来の一株利益の予測を基に形成されると考えられ、一株利益が大きくなると予測されれば株価は上昇します。PERは、一株利益に対して、その何倍まで買われているかを表しており、市場での人気度を表しているとも言えます。市場は、特定の銘柄の株価を過大評価・過小評価している場合があるので、PERを業界平均や競合他社と比較する方法が有効です。