投資情報部　鈴木　英之

■SBI証券ではじめてお取引された方に人気の銘柄ランキング（現物）

2023年2月の第1位はKDDI（9433）で前月の第5位から順位を上げてトップとなりました。高配当利回り銘柄が人気化する中、予想配当利回りが3.3%と高いことが買いの背景とみられます。同社は、2022/6〜2023/5を対象期間とし自己株式の買い入れを実施していますが、平均買いコストは12月4,017円、1月3,979円と計算されます。2月は2/2の第3四半期決算発表後に株価が下がり、4,000円を割る場面がありましたが、上記の買いコストを下回ったことで、投資家の買いが膨らんだ可能性もありそうです。 なお、第2位はイオン（8267）が前月のベスト10圏外からランクインとなりました。2月決算銘柄で、株主優待が人気の銘柄であり、優待の権利確保を狙った買いが増えたものと推測されます。

■SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング（信用）

2023年2月の第1位は、イオンモール（8905）となりました。2月末に100株以上を保有する株主に3,000円相当のイオンギフトカード、またはカタログギフトが贈呈される株主優待を実施しています。2月は第4週まで週を追うごとに信用売り残が増えており、つなぎ売り需要が増えたとみられます。第2位は、先月からワンランクダウンの三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ（8306）となりました。この月は、米長期金利が上昇傾向となり、バリュー株や高配当利回りが選好されましたが、銀行株はもっともＰＢＲ1倍割れの銘柄の比率が高い業種のひとつであり、同社株はその代表的な存在となりました。

■SBI証券の売買代金ランキング

当ランキングについては、「買い」・「売り」ともに同じ順位になる銘柄がほとんどでしたので断りのない限り、「買い」・「売り」同順位とします。第1位は半導体製造装置のレーザーテック（6920）となりました。ディーリング人気が継続しており、常にトップクラスの順位となっています。1月31日に発表された決算では、受注見通しの減速が明らかになり、2月1日には株価が急落しました。2/1〜2/3には押し目買いから出来高が急増していました。 売りの第2位・買いの第3位はＮＥＸＴ　ＦＵＮＤＳ　日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信（1570）でした。売りの第3位・買いの第2位は日本製鉄（5401）で、前月のベスト10圏外からランクインとなりました。中国のリオープンによる鉄鋼需要の回復が期待されたことや、バリュー株・高配当利回り銘柄を選好する流れが味方しました。第4位は、同様にバリュー株選好の流れが味方し、三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ（8306）がランクインしました。

■SBI証券のETF/ETN人気ランキング

第1位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 （1570）、第2位は、ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 （1357）がランクインし、ここまではいつもと同じ景色でした。しかし、第5位から下位は、前回ベスト10圏外からのランクイン銘柄で占められるというやや珍しい状況となりました。インド株式や高配当利回り銘柄に連動するＥＴＦも人気化しており、投資家のニーズが多様化している可能性を示していました。

■SBI証券のREIT人気ランキング

第1位はタカラレーベン不動産投資法人　投資証券（3492）が前月のベスト10圏外からのランクインでトップとなりました。2月・8月決算の銘柄で、年間予想分配金利回りは6％近い水準となっています。2月は決算月のため分配金取りの買いが入ったようです。