投資情報部　鈴木　英之

■SBI証券ではじめてお取引された方に人気の銘柄ランキング（現物）
2023年8月の第1位は、4ヵ月続けて日本電信電話（9432）になりました。6月29日を権利落ち日とする1対25の株式分割を経て、単元株あたりの売買金額が小さくなり、売買代金の増加は限定的ですが、売買高は分割前より急増しており、はじめての取引で買い付けた投資家が増えました。今後もこのランキングのトップ、または上位を維持できるかどうか注目されます。第2位には、日本たばこ産業（2914）（前月も第2位）、第3位には三菱UFJフィナンシャル・グループ（8306）（前月も第3位）が入りました。上位は引き続き予想配当利回りが高く、知名度の高い銘柄になっており、第1〜第3位は先月と同じという結果です。第7位の上新電機（8173）など、「全株主」を対象に株主優待を実施している銘柄も、上位ランクインとなりました。

　■SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング（信用）
2023年8月の第1位は小売グループ大手のイオン（8267）がトップに返り咲きました。同社は8/29（火）を権利付き最終日とし、買い物金額に対して３％を割り引く株主優待を実施していますが、8月は権利確定月に相当するため、つなぎ売りが増えたとみられます。第2位の吉野家ホールディングス（9861）、第5位のコメダホールディングス（3543）、第6位のカーブスホールディングス（7085）等、8月に株主優待の権利が確定した銘柄のランクインが目立っています。第3位の三菱UFJフィナンシャル・グループ（8306）も信用取引の人気を維持しました。8月は米10年国債利回りが上昇するなど金利上昇局面となり、銀行株には追い風が吹きました。

■SBI証券の売買代金ランキング
当ランキングについては、「買い」・「売り」ともに同じ順位になる銘柄がほとんどでしたので断りのない限り、「買い」・「売り」同順位とします。第1位は半導体製造装置のレーザーテック（6920）となりました。ディーリング人気が継続しており、常にトップが続いています。7/24（月）に意外感の強い業績予想上方修正を発表した後、8/7（月）発表の本決算では、次期の営業増益予想も併せて発表し、やや買い安心感が強まってきました。第3位ソシオネクスト（6526）、第4位アドバンテスト（6857）、第9位東京エレクトロン（8035）等、半導体関連は引き続き人気です。世界半導体統計によると半導体出荷額の減少ペースが鈍化傾向にあり、半導体の生産・在庫調整は進んでいるように思われます。

■SBI証券のETF/ETN人気ランキング
第1位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 （1570）、第2位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 （1357）、が入りました。第1位と第2位は前月と同じでした。第4位の「iシェアーズ米国債20年超ヘッジ」（2621）はＦＴＳＥ米国債20年超セレクト・インデックス（国内投信用 円ヘッジ円ベース）への連動を目指すETF（上場投資信託）です。米長期金利は8月を通じて上昇傾向（価格は下落傾向）にあり、この商品は月間で3.5%下落しました。売買代金・売買高は2ヵ月連続で高水準です。

　■SBI証券のREIT人気ランキング
第1位はスターアジア不動産投資法人　投資証券（3468）が前月の第4位（その前はランク外）からトップへと躍進しました。8/18および8/21に53,600円の安値を付け、8/21・8/22と商いが膨らみました。8/21が公募・売出払込日、8/22が受渡日であり、需給改善・投資口価格底入れへの期待から押し目買いが入ったものとみられます。