投資情報部　鈴木　英之

■SBI証券ではじめてお取引された方に人気の銘柄ランキング（現物）
2023年9月の第1位は、5ヵ月続けて日本電信電話（9432）になりました。6月29日を権利落ち日とする1対25の株式分割を経て、単元株あたりの売買金額が小さくなり、売買代金の増加は限定的ですが、売買高は分割前より急増しており、はじめての取引で買い付けた投資家が増えました。このランキングのトップ、または上位を維持できるかどうか、今後も注目されます。第2位には、上新電機（8173）がランクインしました。9月末の「全株主」に対して、「2,000円以上の買物について2,000円ごとに使える買物優待券（200円割引券25枚）」が贈呈される株主優待を実施しており、9月は優待の権利が欲しい投資家が増える傾向にあります。「全株主」を対象とする株主優待銘柄は、SBI証券の「S株」投資の仕組みで参加できます。なお、やはり「全株主」を株主優待の対象としていた東京日産コンピュータシステム（3316）は、TOB（キヤノンマーケティングジャパンによる）に伴い株主優待制度が廃止されています。なお、第4位にはＲＩＺＡＰグループ（2928）が新しくランクインしました。9月末株主に対し、グループ創業20周年特別優待の実施が発表されています。

　■SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング（信用）
2023年9月の第1位は中古車販売大手のネクステージ（3186）がトップとなりました。9月に入り、ビッグモーターと同様の不正を疑う報道が出た後、保険不適切契約や社長辞任等、悪材料が続きました。同社の株価は8月末終値から一時48%下落。結局、月間の売買代金は前月比11倍と人気化しました。第2位は三菱UFJフィナンシャル・グループ（8306）で、前月の第3位から順位を上げました。内外の株式市場は全般に不振でしたが、金利上昇や中間配当取りを背景に、同社をはじめ銀行株は総じて上昇基調でした。第4位には神戸製鋼所（5406）が新規ランクインしました。予想配当利回りが9月末時点で4.6%と高く、中間配当取りの動きから株価も堅調でした。

■SBI証券の売買代金ランキング
当ランキングについては、「買い」・「売り」ともに同じ順位になる銘柄がほとんどでしたので断りのない限り、「買い」・「売り」同順位とします。第1位は半導体製造装置のレーザーテック（6920）となりました。ディーリング人気が継続しており、常にトップが続いています。第2位も前月と同様日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信（1570）がランキングを維持。第3位三菱UFJフィナンシャル・グループ（8306）、第4位川崎汽船（9107）、第6位三井住友フィナンシャルグループ（8316）と、金利上昇に強いバリュー株が配当取りも重なって上位にランクインしました。

■SBI証券のETF/ETN人気ランキング
第1位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 （1570）、第2位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 （1357）、第3位が日経平均ベア2倍上場投信（1360）で、ここまでは前月と同じ順位でした。第4位には日経平均高配当株50指数連動型上場投信（1489）がランクインしました。結局このＥＴＦは9月月間で8％上昇しており、「配当取り」に伴う値動きを享受するひとつの選択肢になっているようです。

　■SBI証券のREIT人気ランキング
第1位は大和ハウスリート投資法人　投資証券（8984）が新たにトップとなりました。8/31に投資口売出を発表し、9/1に需給悪化懸念から投資口価格が急落、押し目買いを交える形で売買が増えました。同様に、アドバンス・レジデンス投資法人　投資証券（3269）も8/30に投資法人債発行登録書の提出、9月12日に新投資口発行及び投資口売出の発表を行い、9月中旬にかけて押し目を形成し、上位となりました。